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□2.ゾロ×ロビン
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確かに見覚えのある醜い顔を歪ませながら、スパンダムはついにロビンのすぐそばまで来ると、せきを切ったように話し始める。
「……あれから俺は責任を追及され、政府を追われた。……この俺がだっ!!」
怒りをあらわにしながら、両方の拳をぐっと握っている。
「あれだけ貢献してやったのに! 政府は俺を簡単に捨てた!! ……もう政府なんか信用できるかぁっ!!」
「……」
相変わらずロビンに力は入らない。
「だから……なってやったのさ。お前らと同じ…………海賊になぁっ!!」
激しく怒りながら一人で喋るスパンダムに注意しつつ、ロビンは先ほどからの違和感に目をやる。
ゆっくりと自分の腕に視線を走らせてみた。
「!!」
手首には輝く何かがしっかりとはめられている。
次第にロビンの顔には絶望の色が広がっていく。
「海楼石……!!」
「ふふふふ……正〜解〜!」
先ほどの夢が頭をかすめる。
ロビンはさらに力が抜けてしまうような気がした。
「それは海軍からの戦利品だよ……。そしてまだまだある!」
おかしくてたまらないという表情で、スパンダムは続けようとする。
その時、ロビンの視界からは確認できない所から、別の声が上がる。
「本物のニコ・ロビンだぁ〜」
「きれいだぁ〜」
「……くぉら〜っ!! お前ら勝手にしゃべんなっ!!」
「……?」
先ほどの複数の人影はよく見ると非常に小さなものだった。
しかしその顔つきは決して子供のものではない。
「!」
小人族だ。
ロビンは初めて見るその種族に目を奪われた。