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□2.ゾロ×ロビン
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「……」


ロビンの心の傷は計り知れなかったが、ゾロはどうしていいのかわからなかった。

正直言うとこんな状況は苦手だ。


「おい……落ち着けよ」


ため息を一つ落とすと、ゆっくりとロビンの体を引き離す。


「いいか、あいつはもういねぇ。もしまた来ても、俺が何度でもぶった斬ってやる!」

「……」


ロビンはスパンダムがまた訪れる事など、想像もしたくなかった。


「な? だからもう忘れろ……」


ゾロは何とかなだめ、外に向かって少し歩き出そうとした。


「……!」


その時、ゾロの足から無数の手が生えた。


「ん?」


急に足が言うことを聞かなくなり、そのままゾロは勢いよく床に倒れてしまう。


「いってぇーっ!! ……何すんだてめぇ!!」


頭にきたゾロがロビンを振り返った。


「……だって……わたしは今日の事、無かった事にはできない……!!」

「!」


スパンダムが消えても、あのおぞましい感触は今もロビンの肌に張り付いたままだった。

ゾロは、忘れろ、と軽々しく口にした事を少し申し訳なく思った。


「……行かないで……ゾロ……」


ロビンの目からはまだ涙が溢れていた。


「だから、俺にどうしろってんだよ……」


困り果てたようにゾロは頭をかいている。


「ゾロ……」


流れる涙を拭うこともせず、ロビンはゾロを見つめた。


「……抱いて……」

「!?」
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