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□2.ゾロ×ロビン
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「これが鍵か……」


ゾロは自分のシャツをロビンにかけてやると、手錠をはずした。


「……」


ロビンは自分の体を抱き締めたが、体の震えは一向に止まらなかった。


「大丈夫か……?」


ゾロが心配そうにこちらを見ている。


「えぇ……ありがとう……」


ゾロが来てくれなかったら、自分の人生を壊したあの男の息子に、これから先も拘束されていたかもしれない。

そう思うとゾッとした。


「……」


ロビンはとても大丈夫な様に見えなかったが、ゾロには慰める術がなかった。


「俺は……海を見てくる。ルフィ達が来るかもしんねぇからな」

「えぇ。…………!」


ゾロがくれたシャツのボタンを留めようとした瞬間、ロビンの目に、自分の胸元にあるものが映った。

点々と続く赤い跡。

間違いなく、あの時スパンダムにつけられたものだった。


「……いやぁっ!!」


ロビンは耐えられなかった。

あの男に、やはりお前の人生など俺の思い通りにしかならないのだ、と烙印を押された気がした。

生き地獄を見せてやると言ったスパンダムの顔が脳裏から離れない。


「おい……」


ゾロは突然泣き崩れたロビンの背中にそっと触れた。

その手の熱は、ゆっくりとロビンの心を暖めた。


「ホントに大丈夫か……」

「……ゾロ……」


ロビンはその手をつかむと、涙で濡れた顔を上げる。


「ゾロ……助けて……」

「!」


ロビンはゾロの体にしがみついた。

その体はいまだ小さく震えていた。
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