罪咎の屍
□world of end
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ロルフが陸軍駐屯地の002‐B1基地に帰るのは2週間ぶりだった。2週間前と比べ基地はそれほど様変わりはしていなかったけれど、どこか寂しい雰囲気があった。きっと味方の何人かが死んだのだろう。
「どうかしましたか」
起きたばかりでボーっとしていたロルフにロベルト博士が声を掛けた。兵士の何人かがトラックに積まれた荷物を慎重に運んでいる所だった。
「なんでもありませんよ。手伝います」
大きな荷物はもう運ばれていたのでロルフは手前にあったカバンに手を伸ばした。
「あ、それは気をつけて運んでください。割れると大変なんだ」
「ああ、はい」
荷物を運んでいる兵士達の後に続いて研究室と書かれた部屋に入った。薬品の匂いが鼻をつんとつく。ビーカーや試験管の中にはさまざまな色の液体が入っていた。
「もう今日は疲れたでしょう。休んでいていいよ。夕食を食べたらまたここに来てください」
「あ、はい」
「ロルフ…また傷が痛んだら直に言って下さいね」
「はい…」
念を押されるように言われ、ロルフは研究室を後にした。研究室は一階の薄暗い突き当りの大きな部屋だったので長い廊下をひたすら歩いた。チカチカと蛍光灯が点滅している。
「ロルフ」
突然呼びかける声に振り向いた。5メートルくらいの距離に金髪碧眼の少年が立っていた。
「セシル…」