同ジ空ノモトデ
□素敵な嘘
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二人は悔しそうな顔をする。
でもそれは、 愛 故なのです。
「あ、雅治せんぱー…、何やってんの?お兄ちゃん」
会いたいけどきっと無理、そう思いながらぶらぶらあてもなく歩いてた昼休み。
ふと見つけた、雅治先輩の姿。
なのに。
「何を言っとるんじゃ?」
「えー?だって…あ、うん。じゃあ私お兄ちゃんのところ行ってくるー!」
相変わらず女の子に囲まれてたけど近づいてすぐに気付いた違和感。
(そういえば、梓ちゃんも言ってた…)
「気を付けんしゃい!」
(これはアナタの身を護るための事ですからね)
「丸一日入れ替わらなくてもいいと思うんだけどなー…、まあいいけど。あ!赤也ー、まさ…違う。お兄ちゃん見なかった?」
「柳生先輩?特別棟のほうに行くの見かけたけど?」
「特別棟?ありがと!」
「彼氏じゃなくて兄貴でいーのか?」
「だいじょーぶだよ!」
「???」
お兄ちゃんは雅治先輩だから!
っていうのは秘密だけどね。
待っててください、雅治先輩。
とびきりの笑顔とプレゼントを持ってお祝いいたします!
「雅治先輩!見つけた!」
「まだお兄ちゃんのが嬉しかったんじゃが…、まあええか。誰もおらんしのう…」
「ちゃんと確認してます!それより、お誕生日おめでとうございます!」
「ありがとさん」
「てゆーか、何で入れ替わってるんですか?お兄ちゃんの誕生日もでしたよね?」
「……秘密じゃ」
素敵な嘘
HAPPY BIRTHDAY
Masaharu,N '06,12,4
title)bamsen