星の花畑

□Venus〜君に微笑みを〜
1ページ/2ページ

「はぁ〜…何もないって良いよねぇ…」
と夜天は陽気にオフの昼間、近所の公園を歩いていた
一応、サングラスをしてはいるが、彼がアイドルグループ、スリーライツの夜天光だとバレるのは時間の問題だった…
「だぁぁぁぁっ!何でこうなるんだぁ!?」
夜天だと気付いたファンがドンドン群がって、夜天を追いかけ始める
それと同時に彼を追跡していた記者もが紛れ込んでまるでマラソンの様になっている
公園を出て商店街へ行き、街中を逃げ回る
場所が変わる度に人数が増え、いつの間にか逃げられない暗いの人数に変わっていった
「あーーーっ!誰か助けてくれぇ!」
と夜天が叫んだ刹那、ファン達の先頭に居たはずの夜天が姿を消した
「夜天君!?」
「夜天?
キョロキョロと当たりを見回すファン達
すると、一人がビルの上を指さした
「あそこ!」
その方向には夜天と髪の長い女性の陰が逆光で浮かび上がっていた
「アンタ誰よ!夜天君を返しなさいよ!」
と周りが一斉に彼女に牙をむける
「残念だけど無理ね…」
「夜天君を独り占めにしようと思ってるんでしょ!」
「残念…私は彼が助けを呼んだから来ただけ…別にあなた方が思っているようなことはしないわ…」
「助け!?」
そう喋っているウチにドンドン日が傾いていく
「いくらあなた方が彼のファンだとしても、プライベートは自由にしてあげなきゃ駄目でしょ!」
「ってか、あんた誰なのよ!」
「私…?…私はね…」
そして、完璧にその影を太陽が照らした
「愛と正義のセーラー服美少女戦士!…コードネーム、セーラーV…」
「セーラーV!?」
彼女の存在を知らない夜天は彼女の隣で驚き、夜天のファン達は「まだ生きてたの?」「今時はセーラームーンじゃないの?」など口々に言っている
「そんな風に追いかけてると嫌われちゃうぞぉ〜!気を付けてね!」
とファン達に忠告し、夜天の方を振り返った
「君は…」
「そのままで居るより、変身して逃げた方が安全よ…」
と彼の耳元で囁いた
そして、口の前に人差し指を立て
「しーっ…ね」
と言うと、Vは消えてしまった
残された夜天はと言うと…
「君も僕に嫌われない様に追いかけたりしないで欲しいな…」
と微笑みながら空を見上げた

The end
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ