エア・ギア
□中学生だもの
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「カァアァァズゥゥウゥ!」
「あ?――っ!」
近付いてくるイッキのでかい声に振り返ると、体がぬくもりで包まれた。抱きしめられたのだと気付き、瞬時に体が熱くなる。
「ちょ……イッキ!離せ、何すんだっ」
「……ん〜、カズのカホリ……」
イッキは後頭部に鼻を押しあて、くんかくんかと臭いを嗅いできた。じたばたと暴れていると、やがて俺は解放される。
「んなに暴れなくたっていーじゃん」
「……!」
今度は肩に手をまわしてくるイッキ。こいつ此処が何処だか分かってんのか?廊下だぞ、東中の廊下!
「だから、こんなとこでくっつくなっていつも言ってんだろ!」
「あー?こんくらいフツーだろ、フツー」
きゃんきゃん吠えてチワワみてー、とイッキは笑う。……その笑顔に、いつも俺は負けるんだ。
俺が黙っていると、耳に息が吹きかけられた。びくんと体を揺らすと、イッキは背筋がぞくぞくするような艶っぽい声で囁く。
「抵抗は、終わりかよ?」
慌てて至近距離のイッキを見ると、その瞳には明らかな情欲の色が。
「ばっ、お前、なに考えてんだよ!……っう……!」
「……分かんだろ?」
肩に回されていない方の手が、俺の体を撫で始めた。敏感なところを刺激が襲うたび、微かな声が漏れて息が荒くなっていく。
「……イッ、キ……や……こんな、とこで……あっ!」
必死に声を絞り出すと、イッキはぐっと俺のモノを掴んできた。体中を快感が走り抜け、力が抜けてしまう。
「とか言いながら、カラダはしっかり反応してるぜ?」
「ん……っふ、は……ぁ……」
不規則に強くなる刺激。もう立っていられなくなった俺はイッキにしがみついた。
「……かーわい」
そう言って、イッキはそっとキスを落としてくる。優しい感覚に、体が甘く痺れた。