□1 誰とでも寝る
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…パシンッ――




僕が屋上へと続く扉を開けるのと、その音がしたのは同時だった。


「この泥棒猫!!」


続けて聞こえてきたそのセリフに、思わずポカンとしてしまう。


…本当にあんなセリフ言う人が居るんだ。


貴重な体験(?)に感心していると、そのセリフを言った張本人がこちらに気付いた。


「あ、え?お、きたくん…今の聞いて?」


ビックリしたようにこちらを見る彼女の顔面がみるみる青くなっていく。
彼女には見覚えがあった
確かこの前、僕に告白してきた子だ。



「現実にあんなこと言う人が居たんだね、びっくりしちゃった」


「や、やだ、どしよ…」



笑いながらそう言うと、さらに顔面蒼白な彼女は、泣きそうな顔して僕の横をすり抜けて屋上から飛び出しっていった。


屋上に残ったのは僕と、

そしてもう一人、「泥棒猫」と罵られていた女の子。



「大丈夫?斎藤さん」



僕は偶然持っていたお茶のペットボトルを、彼女に差し出す、彼女は首を傾げたが「頬っぺ」とだけ言うと、分かったのか「あぁ」、と呟くとお茶を受け取り頬に当てた。



「ありがとう、沖田総司くん」


「あれ、僕のこと知ってるの?」


「まあね、沖田くん有名だもん」



にこりと笑う彼女も、この学校でちょっとした有名人だ。







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