白黒あわあわ
□恋分析
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え、私が恋をしてる?誰に?恋の意味が分からない私が?いやでも恋はして初めて分かるものらしいし、しててもおかしくないのか?でも本当にこんなのが恋…?
「おい愛恵里。仕事しろ」
『うぅ゙…!ざどゔざ〜ん…』
「うわ、凄い顔だな」
休憩室に入ってきた佐藤さんは私を見るなり傷つけた。こっちは悩んでるのに!
『どうしよ佐藤さん…。これまで頭使った事は生まれて初めてで…』
「まだ恋っつってんのか」
『最初はただの興味と負けず嫌いな性格で知りたかっただけなのに、どうしてこんなに悩まなきゃいけないの!』
「知るか。仕事しろよ」
なんか冷たい佐藤さん(いつも冷たいか)。煙草の煙が臭い。そして佐藤さんの肩を掴みブンブンと振り回した。
『でね!小鳥遊くんにさー今私が恋してるって言われたんだけど』
「…………」
『でも誰にか教えてくれないし、誰か分かんないし』
「馬鹿だな」
『馬鹿じゃねぇよ!』
皆して馬鹿馬鹿言わないでほしいし、私は馬鹿じゃない!
「へー愛恵里ちゃん恋したんだー」
そこに現れたのは相馬さんの野郎。聞かれてたか、まあいいけど。
「でも相手が分からないんだね」
『相馬さんには関係ないけど、そう言う事ですかねー』
「うわぁ酷い!酷いよ!佐藤くーん…」
「ふるな」
「それにしても愛恵里ちゃんが恋なんてね。子供脱出できるね!」
『まあそうだけど…。何か違う気が…』
本当に子供脱出できるのかな…(そもそも子供じゃないけど!)。
まだ恋なんて分かんないし。恋してるよって言われて、ハイそーですかヤッター!なんて違う気がする。
「愛恵里」
『〜〜』
「おい、愛恵里」
『ぷしゅー』
「あ、蒸発しちゃったねー」
「とりあえず頭冷せ」
考えすぎたのか頭から蒸発した。
とりあえず裏口から出て外の空気を吸うことに。風が当たって気持ち良い。
『はぁ、落ち着いた…』
さっきまでらしくもなく頭がグルグルだったため、メンタルがもたなかった。
…よし。落ち着いたところでもう一度恋について分析しよう。
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