白黒あわあわ
□恋分析
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6品目!
恋分析
『あ、ぽぷら!小鳥遊くん!』
「あ!愛恵里だぁ!」
「真城先輩。奇遇ですね、バイトですか?」
『おうとも!』
バイトの行き道、偶然にぽぷらと小鳥遊くんと出逢った。そっか、二人は同じ高校だからシフトが同じ日は一緒に行ってるんだ。
「そういえば真城先輩。恋、分かったんですか?」
『よくぞ聞いてくれた!』
相馬さんに子供発言されたあれから、悔しくて憎くて、私は一生懸命恋にたいて勉強した。色んな人の話を聞いて漫画やゲーム、アニメなども見まくった。
『恋について分析したら、やっぱり分かんなかった!』
「ありゃりゃ…」
とぽぷらの残念そうな声。
かっこいいは男女関係なく沢山思うし。仲良くなりたいのも男女共々思う。そして未だに違いが分かんないけど、普通の好きと恋愛の好きは違うらしい。
するとぽぷらは笑顔で口を開いた。
「でも恋って、して初めて分かるんじゃないかな!」
『…そうなの?』
「確かにそうですね。こう…、不意に異性にドキドキした事とかないんですか?」
不意に…、ドキドキ…。
『分かんない、けど…』
「「けど?」」
『この前、心臓辺りがバクバク!ってなった』
無言になる二人。あれ、変な事言った!?もしかして病気とか!?
ぽぷらと小鳥遊くんは顔を見合わせて息を飲んでいた。
「だ、誰にですか…?」
『んっとねー、相馬さん』
「相馬さん!?」
『この前ね、湿布貼ってもらってその時の胡散臭くない笑顔見てかな?あ、その前も抱きつかれた時に心臓に違和感があったけどー…』
それが何?と付け足すと二人はため息をついた。
「そ、それから相馬さんについて愛恵里はどう思うの?」
『ウザいし気持ち悪いかな』
「「(え…)」」
『でも不思議と憎めないよねー悔しい』
「「(な、なんじゃそりゃ…!)」」
ああ、それは私弱み握られてないからかな?と笑ってみせた。
にしても相馬さんには腹が立つ。でも不思議と憎めないのがこれまた悔しい。もう訳分かんないよ!
『恋の意味さえ分かれば子供扱いもされないのになー』
あはははっ!と笑うと、何だか視線が痛かった。小鳥遊くんの目が痛い!何その哀れみな目!
「恋を知っても知らなくても、先輩は十分に子供ですよ」
『えっ、何で!』
「ここまで頭が悪いとは想像以上です…。鈍感にも程がある」
「ま、まぁまぁかたなし君…」
『何!鈍感って!』
「いいですか、先輩」
『はい』
「いい加減、気づけ!」
『………』
あれ、小鳥遊くんは(一応)私の後輩でー…今説教された?されたよね、うん。
って何に説教されたの、私!
『ちょっ、気づくって何に!?』
「はぁ…。単刀直入に言います」
『臨むところだコラ』
なにが単刀直入だ。難しい言葉使いやがって。小鳥遊くんは本当に心の底から呆れたような目をしている。それを隣でぽぷらが宥めてる。
「真城先輩は、今恋をしてるんです」
『…………』
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