白黒あわあわ
□恋って何ですか?
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『ありがとう、佐藤さん!スッキリしましたー』
「そうか」
いっぱい話を聞いてもらったし、心が軽くスッキリした私はご機嫌!
佐藤さんの顔が疲れきってるような気もするけど、きっと気のせいだろう!
「ああ、それと」
キッチンを出かけた私に、何か思い出したかのように声をかけた佐藤さん。
「お前、恋したことあるのか?」
『ぬえ?コイ…?』
恋コイこい…
『分かりません!恋が何なのか自体が!』
「…そうか」
『佐藤さん見てても、どうも理解できないんだよね!ちなみにどんか感じですか?』
ああっ佐藤さんの目が怖い!相馬さんみたいに、フライパンで叩かれるのだけは嫌だ!
叩かれる、と思ったけど佐藤さんはため息を溢しただけだった。そして頭をポリポリとかいた。
「心臓の違和感とか、とにかく訳が分かんなくなる…感じだ」
『…………』
「…分かったら仕事しろ」
佐藤さんはそれだけを言ってまた料理に取りかかった。
「(あのアホでも、少しは理解しただろ)」
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フラフラと勝手に足が動いて休憩室に辿り着いたけど、只今私の思考は停止している。
まさか…
まさか…ね。
「あ。おはよう、真城さん」
『……………』
「ちょ、どうしたのっ!?何で放心状態!?」
『……………』
「誰かぁ!真城さんが変!!」
『…相馬さん』
「え、何!?」
『佐藤さんが…!』
「さ、佐藤くんが…?」
『佐藤さんが分からない!佐藤さんの恋の理解が出来ない!』
「…え、」
やっぱり恋の意味がよく分からなくて、佐藤さんが分からなくなった。
「きゅ、急にどうしたの?」
『相馬さんは分かりますか?恋!』
「えっ!?」
『相馬さん何でも知ってるし、むしろ知らない事ないでしょ』
「いや、いくらなんでもそれは…」
『恋の意味が分かんないんです!』
「真城さん、恋したの?」
『多分してません。恋したとかしないとかもよく分かんないんで!』
「…………」
『何ですか!恋って!』
ドンッ、と音を立てて相馬さんに飛びかかる。相馬さんは少し困った顔をしてた。
「相手の事をもっと知りたい、って思う事じゃないかなー?」
『でもそれじゃ、相馬さんは皆に恋してる事になりませんか?』
やっぱりよく分かんない!
頭を回転させて考えてると、相馬さんが笑顔で肩を叩いてくれた。
「まあまあ、そんなに難しく考えないで」
『それもそうだね!この話おしまい!』
恋って何ですか?
(佐藤くーん。真城さんが恋について知りたがってるー)
(そうか)
(うーん…。佐藤くんの恋の理解が出来ないって言ってたしね〜)
((…あのバカ))