白黒あわあわ

□携帯電話
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   二品目!

     携帯電話






あ〜暇だー…。つまらない話しを聞かされて(聞いてないけど)、つまりは授業中。
一応私だって今を生きる女子高生だ。

不意に窓の外の空を見上げる。


今日もバイト。早く行きたいなー…。

佐藤さんが落ち込む姿も見たいし、葵の「姉になって下さい!」も、案外好きだし!今日の八千代さんのパフェの仕上がりも気になる。ぽぷらに元気もらいたいし、まひるには癒されたい。小鳥遊くんにぎゃふんとも言わせたいしー…

そして何より…相馬さんを痛めつけたい!


とにかく今日もにぎやかなんだろうなー!

…なんて思ってしまう。そして不意に笑顔がこぼれた。



ブルルルッ


すると携帯が震えた。誰だろう、こんな授業中に?

携帯に映し出された宛名は、知らないアドレス。…間違いメールかな?



“空ばっか見上げてないで、授業はちゃんと聞かなきゃ駄目だよ”


えぇっ!?誰!もしかして登録し忘れたアドレス?知ってる人…ぽいけど?

とりあえず誰だか分かるかも知れないから送られてきたアドレスを見た。



『…うわっ』



1人肩を震わせた。
キモチワルイなんてもんじゃない!ストーカー入ってる!何で教えてもいないのに私のアドレス知ってるの!?しかも授業中の様子まで!



これはきっと、いや…絶対相馬さんだ。










『あー終わった!』


やっと放課後。私は何人かの友達と教室を後にした。

あれから相馬さんであろう人に返信はせず、メールが来る事はなかった。バイトに行ったら絶対に怒ってやるんだ!




ぷるるるっ…



携帯が震えた。携帯を見てみると知らない番号からの電話。


不思議なもんで、私は知らない人からなのにその電話に出てしまった。





“「あ、もしもし。真城さん?お疲れ様〜」”

『!まさか、その声は…!』


間違いない。優しい声に優しい雰囲気…。紛れもなくこの人物は…



『相馬…さん、ですよね…?』

“「うん、おれだよ」”


いやだー!!!


『何で番号知ってるんですか!?』

“「何でだろーねー。あ、メアドも番号も登録しといてね」”

『やっぱり相馬さんだ!やめて下さい、キモチワルイ!』

“「素直に傷付くよ、おれ」”

『て言うか仕事中ですよね。仕事してください』



そう、本来この人は仕事中のはず!仕事しろ仕事!



“「えー、真城さんには言われたくないなー」”

『知らん!切る!』



すると呆気なく「またバイトでね〜」なんて呑気な声が聞こえてきた。

くっそう、何で知ってるんだろう!





私は早足でバイト先に向かった。








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