白黒あわあわ

□子供じゃない!
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休憩室にて溶ける私。

まるで収穫ゼロ。お手上げ、恋が分かんない!



『はぁー…悔しい眠たい頬っぺた痛い』


まひるのストレートは効いた。まだ痛む頬っぺたを触ってみたら、何とも言えぬ痛みに唸り声をあげた。



「その調子だと、上手くいってないみたいだね」


相馬さんの声が聞こえた。
台詞がうざい、憎たらしい。声が楽しんでる。



『…相馬さん』

「ってうわ!どうしたの、その頬っぺた!?」




机に顔を伏せていた私は顔をあげた。するとまともに私の顔をみた相馬さんは急に焦り始めた。


『えっ何!?』

「何って…、すごく腫れてるけど…」


ああ、きっとまひるに殴られた所だろう。想像以上に私の頬っぺたは腫れていたらしく、納得がいく。


『何故かまひるに殴られた』

「愛恵里ちゃん、性格男っぽいからじゃない?」

『そうなんですか!?』

「五分五分かなー」


初耳!て言うか五分五分って何!男っぽいんだ…私。(だからおっさん何て言われるのかな)



すると相馬さんが何かを探して、私の頬っぺたを軽く触った。痛い!と心で叫んで目を強く瞑った。



「はい、出来た」

『………』


頬っぺたには冷たい感触。ひんやりしてて気持ちいい。



『湿布?』

「そうだよー」

『…ありがとう、ございます』


相馬さんは「どういたしまして」と笑ってみせた。…心配してくれたのか?


胡散臭くなく見えた笑顔に、心臓が一つ、大きく鳴り響いた。あれ…何これ。






『ちなみに相馬さん』

「んー?」

『相馬さんは恋してる?』



この前に相馬さんからは恋について聞いた。(よく分かんなかったけど)



「どうだろうねー」

『ケチんないで教えて下さい!』

「秘密」

『じゃあ恋の意味教えて』


相馬さんは少し(笑顔のまま)考えたように止まった。そしてまた爽やかに見える笑顔で、





「恋の意味も分かんないなんて、愛恵里ちゃんもまだまだ子供だね!」









    子供じゃない!


(あの様子じゃ愛恵里ちゃん、当分恋なんて出来ないよね)
((何で相馬も愛恵里も俺に言う…))
(まだまだ愛恵里ちゃんも子供だねー。それより早く弱味見つけないと)









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