短編

□いつも隣にいた あつみな
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いつだって隣にいた
きっといろんな景色を
あなたとみていけると思っていた




〜楽屋にて〜

AKBの楽屋はいつも騒がしい
まるで女子校の休み時間みたいな
うるささだ
とにかくガールズトークがたえないのだ

でも、いつも居心地が良い場所も
わたしにとっては雑音にしか聞こえなかった

きたりえ「なんかさぁ、たかみなさん最近おとなしいってゆーか暗いよね!」

指原「りえちゃん…それは察してあげようよ!?」

きたりえ「え?なに?」

指原「りえちゃんってたまに鈍感だよね… 前田さんが辞めちゃうんだから落ち込むのは当たり前でしょ!?だって二人は愛しあっていたんだから!」

きたりえ「さっしーさ、前からそれ言ってるけどまじなのそれ…」

指原「まーじーだーよ!」

きたりえ「はぁ…」


どんどん楽屋に集まるメンバー
うるささが増してゆき
わたしは限界を超える


ガタッ


優子「たかみな?どこいくの?もう撮影はじまるよ?」

優子は多分気づいている
誰よりもわたしがへこんでいることを
自分だってプレッシャーを感じていて辛いはずなのに
やっぱり優子は大人だ
わたしとは全然違う

たかみな「ちょっとトイレ」

もう前みたいな返事は今はできない
やっぱり弱いんだ、わたし

それだけ答えて楽屋からでる

たかみな「はぁ…」
勝手にこぼれたため息は
少し肌寒い空に消えていく


敦子が卒業の話は本人から
相談はされていた
正直嫌だったし、辛かった
でも、敦子が決めたことだし
わたしは笑顔で敦子に応援するよって
言ったんだ

つーか、わたしまだ気持ちも
伝えられてないんですけど
わたしは敦子が好きだ
気づいたころにはメンバーとしてじゃなくて女性としてしか見れなくなっていた
だから安心もしているのかな
このままだときっとわたしは敦子をだめにしてしまうから

たかみな「わたしはやっぱり…ずるいっす…」

その言葉と一緒に涙がこぼれた
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