長編設定SS

□天然。Prince breaker
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いつものように朔夜達Sクラス四人組が食堂でランチを食べていると、にぎやかな声がこちらに近付いてきた。


「あ、朔夜! っと、トキヤ達もいたのか」

「失礼な人ですね、私達がいてはいけないとでも?」

「っ、そんなことないよー」


Aクラスの音也が朔夜を見つけて、嬉しそうな顔で寄ってきた。
もちろん彼がいるということは、他のメンバーも当然一緒に昼食を取りに来ているというわけで。

はしゃぐ音也の後ろから、呆れ気味の真斗とは正反対に、同じく朔夜と翔を見つけてぱぁっと顔を輝かせている那月。


「サクちゃん! 翔ちゃん!」

「四ノ宮、周りは食事中だ。埃をたてるような行為は慎め」


駆け出しそうとした那月の首根っこを捕まえて何とか止める真斗は大きな溜息を吐いた。
そして音也と同じく朔夜達の着いているテーブルへと向かう。


「やれやれ、うるさいのが来たね」


真斗の顔を見るなりレンが憎まれ口を叩く。そんなレンを見て、朔夜は一言名前を呼んだ。


「レンくん」


下から上目遣いで睨み上げられたレンは一瞬硬直するも、にっこりと綺麗な笑みを浮かべ「わかってるよ」と朔夜の頭を撫でた。

これに関しては以前朔夜により、彼の前ではケンカしないと無理やり約束させられたのだが、その時の朔夜があまりにもイイ顔をしていたので、「逆らったら危険だ」とレン・真斗両名に思わせたという経緯を持つ。

四人の席に三人も加わり一緒に食事を取ることになったのだが、この7人、かなり目立つ。
アイドルを目指すこの早乙女学園の中でもかなりのイケメン揃いだからだ。そして、さすがにSクラスとAクラスだけあって、その実力も侮れない。

彼らの近くにいる女生徒達はちらちらと視線を寄越しつつ、うるさくならない程度にキャーキャー黄色い声を上げている。
レンがそれに答えて手を振ったり、ウインクを飛ばしたりするものだから更に視線は釘付けだ。

しかも最近それに習ってか、たまに朔夜まで手を振り返す始末。
彼の場合はウインクまでは飛ばさないが、その綺麗な顔でにっこりと微笑まれれば、たまたまそれを視界に納めてしまった男子生徒まで赤面するほどの威力だ。







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