過去Log置き場

□シャイニング事務所発行会報誌 / 『Shining World』
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真斗編










――――残すところあと二回となりました今回の企画ですが、今回は芸能界だけでなく違う方面からの注目も集めている方の登場ですね。

「まだまだ当分先のことみたいですけど、いずれは日本を背負って立つかもしれませんね。
それに今抜けられたら困ってしまいますし。(笑)

では紹介しますね。ST☆RISHの知的純和風美人、妹思いの聖川真斗くんです」

「知的と純和風はまあいいとして、美人というのは、その、俺の事なのだろうか」

「正統派美人さんという噂ですよ」

「……俺はお前の方がその文句に合っていると思うがな」

「そうですか? あ、意外と庶民派だって意見もあるようですね。これはあれかな。真斗くん、メロンパン好きだから」

「あれはただのメロンパンではないぞ、至高の一品だ。
しかもあの伝説のアイドル、シャイニング早乙女の手作りともなれば、その価値は計り知れないだろう。
今でもたまに学園の購買に買いに行っている」

「わ、そうだったんですか、きっと学生さん達驚いてるだろうな。でもあれは本当においしいですよねぇ。僕もまた食べたくなっちゃったな」

「今度手に入れた時はお前の部屋に持っていこう」

「ありがとうございます! 楽しみだなぁ」

「俺も多少の料理を嗜むが、あの味はどうあっても出せんからな」


――――あれは私も一度だけ食べたことがありますが、社長が作り出す味とは思えませんでしたね。

さて、では早速お二人のそれぞれの呼び方を教えてください。

「真斗くんです。『まさと』って読む漢字はいろいろあると思いますけど、真斗くんの字はかっこいいですよね。星から取ってるのかな」

「俺はサクと呼んでいるな。ふむ、そう言えば名前の由来など聞いたことがなかったな。
父とは……畏敬の対象でしかなかったからそのようなことを、話す機会もなかった」

「斗星(ひきつぼし)っていうのがありますよね。北斗とか南斗とかにも使いますし。那月くんなら星に詳しいから知ってるかも」

「お前もよく知っているな」

「僕のは聞きかじりなので詳しいことはわかりません。ごめんなさい」

「いや、謝らずとも良い。お前がそうやって俺の名の意味を考えてくれるということが何より嬉しいのだから」


――――さて、真斗くんは冒頭でもちょこっと触れましたが聖川財閥の跡取りですよね。

「うむ。今は父がその任を受けているがいずれは……俺が継ぐことになるだろうな。
といっても、父が元気なうちはここで頑張る所存だが」

「真斗くんのお父さんって実はすごく真斗くんの歌を好きなのに、素直に認めてあげられないへそ曲がりだって。
こないだお母さんに会った時に聞きましたけど、本当ですか?」

「なっ、母上と会ったのか!?」

「はい、コンサートに来てくれてましたよね。雰囲気が真斗くんそっくりだったのですぐわかりましたよ。
真斗くんに会いに来たんだと思ったんですけど、会わなかったんですか?」

「いや、俺は会っていない。来てくださっていたのは知っていたが……何故会いに来て下さらなかったのだろう」

「『真斗をよろしくお願いします』って言われちゃいましたよ。僕の方がいっぱい面倒かけてるのに」

「……母上……」


――――お二人は普段は一緒に遊んだりしてるんですか?

「前も言ったかもしれませんが、休みが合えばメンバーとはよく遊びますよ。
真斗くんは料理上手なので、僕も教えてもらったりしてますし」

「サクは筋が良い。というより、お前は元から上手いからな。四ノ宮とは比べ物にならないくらいに手がかからない。
まあ、そもそも比べること自体が間違っているのだろうがな」

「あ……そう言えば、那月くんが前回カレイの煮つけの美味しい食べ方を真斗くんに教えるって言ってましたけど……もう、行きましたか?」

「ん、ああ……、もしやあれか…?
皿の上に生クリームが大量に乗っている物を持ってきてはいたが、カレイの姿などどこにも見えなかったぞ。

……丁度仕事が入っていたので上手く逃げることは出来たが、そうか、アレの下にはカレイの煮つけがあったのか……」

「その生クリームもきっとただの生クリームじゃないような気がしてなりませんね」

「俺もそう思う」

――――相変わらず那月くんの料理はすごそうですねぇ。

「あいつは余計なことをしすぎるのだ。レシピがあってもそれに書かれていない物を投入するからおかしくなる」

「甘いものにしょっぱいもの、辛いものに甘いもの、みたいな正反対なものをどんどん持ってきたりしますからねぇ。
まぁ、それだけじゃなくて絶対使わないものを入れたりするから怖いんですけど……」


――――真斗くんと特に仲が良いといえばレンくんだと思うんですけど、実際のところは?

「あれは仲が良いとは言わん。ただの腐れ縁だ」

「でもお互いよく見てるんですよね。
ライバルとして意識してるからってのもあるのかもしれませんけど、僕から見たらすごく良い関係だと思いますよ?」

「サクの前では諍いは起こさない約束だしな。あれは……人のことを小馬鹿にするのがどうにも気に食わん」

「あはは、レンくんも素直じゃないですからねぇ」

「『も』というのはどういうことだ」

「真斗くんも、ということですよ」

「む……」


――――では最後ですね、お互いにコメントをお願いします。

「静かな中にも確固たる信念と熱い情熱を持つのが真斗くんですよね。
奢らず、自分を批判する内容も真摯に受け止めて、何が悪いのかを見つめ直し正そうとする。
そういうところはすごいなって思います。

あ。話は変わりますけど、今度僕にも裁縫教えてください。前に頂いた刺繍入りのハンカチ、凄く綺麗だったんでお返ししたいです」

「そんなことならいつでもいいぞ。あとで今度の休みを教えてくれ。サクは、そうだな。

初めての出会い、といっても一方的だが、あの時から俺の支えだったな。お前の言葉は力をくれる。もちろん歌声もだ。
これからも共に音楽を奏でられると嬉しい」

「もちろんですよ。いつか僕達が引退するその日まで、ずっと一緒ですっ」

「サク……」


――――真斗くんにはラストを飾るメンバーにも一言お願いします。

「……サク、気をつけろよ」

「えっ? 僕ですか?」

「ああ、あいつは何をしでかすかわからんからな。強いて一言述べるならば、無節操な行いだけはするな、だろうか」

「???」


――――いよいよ次でラストですね、最後までよろしくお願いします。今日はありがとうございました。

「こちらこそありがとうございました。最後まで気を抜かずに頑張ります」

「お疲れ様でした。頑張れよ、サク」

「はいっ」










「ちょっといいか」

「はい、なんですかー?」

「その、母上は他には何も言っていなかったか?」

「? いえ、特には言ってなかったと思いますけど、」

「そうか、ならばいい。(迂闊に気になるやつが出来たなどと言うものではないな。きっとサクを見に来たに決まっている。…まぁ、父上が来なかっただけマシか)」










那月との間がだいぶ空いたので、なんかノリがわからなくなった一品(笑)

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