novel
□相対依存
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いつから俺は花道が好きなんだろう。
花道が笑うことに幸福を覚え、花道が悲しむことの原因を憎み、俺のすべては花道中心に始まる。
いつからだっただろう。
その事にすら喜びを覚えたのは。
俺の世界は花道で出来ていた。そんな花道がいなくなったら俺はどうなるの。
なあ、花道。
いなくならねえで。
(よーへー、よーへー。
オレも、もっとそばにいてえよ。
ねえ、抱きしめて、好きって言って、ずっとずっと隣で笑ってて。
アイシテル)
言えない言葉を心で綴る。
そんな花道を洋平は知るはずもなく、そんな洋平を花道は知るはずもなかった。
「よーへーっ!あ…す、好きだぞ」
伝えたくなったが、花道にはこれが限界。それでも洋平は嬉しそうに、幸せそうに笑った。
「あぁ、花道…俺も愛してる」
その言葉だけで十分で、今君が笑っているだけで幸せで。
先の約束なんてきっと必要ない。
end