駆逐してやんよ!

□いきなりフラグ伝説!
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その日は1日中運が悪かった。
朝っぱらから機嫌の悪いナルトに“兄ちゃんなんか大嫌いだってば!”と罵られるし、忍務に行けばパートナーはカカシで3時間待ちぼうけを食らった挙句、あの野郎は忍務最中に他の依頼を受けやがって結局俺1人で片付けることになった。
しかもSランク忍務。
おかげで俺は死にかけたし、治療セルフサービスでクナイ引っこ抜くのはものっそい痛かったし、ようやく木ノ葉の里に帰れたと思ったら5代目のクソババァに新たな忍務を言い渡された。
こんにちは、本日2度目のSランク!
出来ればニートになりたい俺としては非常に不愉快極まりなかったが、たかが特別上忍ごときの存在である俺に反論する余地などあるはずもなく、クソババァの怪力によってあえなく閉口することになった。
その際若干よけ損なったせいで肩が抜けたが、治療なんざしてくれるはずもなく、蹴り出される形で追い出され、最後に“砂のムラサキとツーマンセル忍務だ。くれぐれも揉め事を起こすなよ!”などという爆弾を投下された。
もう抵抗なんて出来ない俺は言われた通りにムラサキと合流して、指示された場所に向かい、何か暗部並に強い抜け忍と戦って、でも相手が臭遁だとかいう謎の血継限界を持つ忍で、ワケも分からんうちにヘドロみたいな臭いを嗅がされ、悶絶していたところをうっかり手元が狂ったムラサキのクナイが俺の背中に刺さるという暴挙が勃発。
因みにムラサキは今回サポート役だったので俺とは離れたところに居り、臭遁の餌食になることはなかった。
つまり俺だけ貧乏くじ。
あんまりにもムカついたので半狂乱になって全員ぶっ殺してやった。
ただし服に付いてしまった臭いのせいでムラサキが嫌がって手を貸してくれなかったので1人ハッスル。
だがそれだけでは終わらなかった。
最後の1人をやっつけて、これで終わりかなと思って油断していたところを、上半身裸で派手なビキニパンツに網タイツだけを身に纏った変態ゴリマッチョに捕獲されてしまった。
俺だけ。
死ぬ気で暴れてみたけど変態の唇が俺のそれと合わさってあえなく死亡。
流石に気の毒に思ったのか、ムラサキが助けてくれようとしたが時すでに遅し。
変態さんの舌は俺の口内にいた。
もういっそ俺を殺して。


俺は何かカミサマの気に触れることをしただろうか。
確かに俺は聖者なんかじゃない。
人殺すし、酒飲むし、タバコ(俺調合の臭くない!害ない!)吸うし、この前お地蔵様壊したし、白蛇踏み潰したし、忍務先でうっかり祠を螺旋丸してしまった。
まぁその他にも多々ロクでもないことをしてきたのは認める。
そして今日は1日中運気が下がりっぱなしで不運通り越してもはや災害の領域だった。


+++


だがこれはないよカミサマ。

突如として白んだ視界がクリアになったかと思えば視界いっぱいに広がる人の顔。

「え?」
「え?」

俺達の視界は物理的に遮られていた。
人の顔に。

いやいやいや、え何、どういうこと?
デカくね?
顔ってーか、全体的にデカくね?
コレほんとに人間?
俺の10倍くらいはありそうなんですけど。
こんなデカい人間見たことないよ。
てか心なしか目ぇ合ってる気がする。

「ムラサキー。俺ゴリマッチョに捕らえられた辺りから記憶飛んでるんだが、これどういう状況?」
「さぁ。私にも分からん。」
「それに何か全然知らないとこにいるような......。」
「あれじゃね?新しい扉開いちゃったんじゃね?」
「ちょ、言い方!まるで俺が変態の国へコンニチハしたみたいじゃん!」











「なななな何!?ちょ、俺達今どういう状況!?」

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