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□フュリーはキリエを使わない 後編
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「フュリーはキリエを使わない 後編」


〜前回のあらすじ〜

キリエに憧れるウィザードのレヴィンは、相方のフュリーがキリエを使ってくれないことが不満だった。
そしてとうとうある日、フュリーにその不満をぶつけてしまった。が、フュリーの反応が怖かったので、すぐに蝶の羽を使って逃亡。
しかしフュリーの追撃の手が彼に迫る。一体レヴィンはどうなってしまうのだろうか?
それでは、どうぞお楽しみください。


少し時間がたって冷静になるにつれ、僕は自分が行った事を後悔し始めていた。
フュリーの他にいっしょに狩りにいってくれるようなプリーストに心当たりはないし、僕は正直魔法の扱いが下手で、自分の力だけで狩りをすることは無謀といってもいいくらいだ。
もしこのままフュリーに捨てられたらどうしようと考えると、いても立ってもいられなくなった。
たぶんフュリーもセーブポイントに戻ってるはずだと思って、すぐにそこへ向かって走り始めた。
だけど、そこにフュリーの姿は無かった。
仕方が無いから、少し怖かったけれどフュリーに耳打ちすることにした。
「あのさ、フュリー・・・さっきはその・・・」
自分から耳打ちをしたのに、なんていったらいいかわからなくなって言葉に詰まった。
するとフュリーから意外な返事が返ってきた。
「ああ、レヴィン。さっきはごめんなさい。私、レヴィンの気持ちなんてちっともわかってなかった」
僕は驚いた。フュリーに謝られるなんて思っても見なかった。
目を丸くさせたまま硬直している僕に、フュリーは続けた。
「私ってDEX低いから詠唱おそいじゃん?だからキリエを使わなかったの。
でも、そのせいでレヴィンが死んじゃったりするんじゃだめだよね。
今まで本当にごめんね」
こんなに素直なフュリーは初めてだった。そして、僕が言ったことをフュリーが素直に受け止めてくれたことに僕はとても感動した。
「でさ、レヴィン。渡したいものがあるから、今すぐ下水前のカプラのところにきてね」
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