self-righteousness

□天国ト地獄ノ境界線
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ドクターカリガリの悪夢









誰かが頭の中を這いずり廻る。
ズルズル、ズルズルと。
だらしなく引き摺る腸は、重そうだ。
いっそのこと、全て掃き出してしまえば良いのに。


誰かが左手を引っ張り回す。
ぐるぐる、ぐるぐると。
バカみたいに掻き回し、千切れそう。
いっそのこと、肩から引き抜いてしまえば良いのに。


誰かが目玉に異世界の映像を映している。
チカチカ、チカチ……








バチンッ






バチンッバチンッバチンッ







敢えて言おう。



私は罪人だ。

しかし、罪を晒しはしない。

懺悔など、無意味だ。
同じ罪人に、私を許す価値はない。




此処では、私は一種の支配者で
神である。

そんな私に、私は歯向かうことは出来ない。


この閉鎖された空間の神は、イカレる囚人を監視し、イカレた罪人を監理する。


私もその征服欲の捌け口でしかない。







だから、私は目玉を入れ替えて、違う世界の神となる。



囚人と罪人とで。
汚物に塗れた。





欲望に忠実な左手をぐるぐると回して、刃先に当たるもの全てを切り付ける。
突き刺し、抉り取る。


頭の中の悪魔に従うふりで、背後から伺いみる。

頭蓋をカチ割れば、ヘドロとキャンディが溢れるはずだ。







異世界の神は、欲望のままに存在するのが正しい。








所詮、全ては幻想なのだ。







幻想は、現実の裏側に
ひっそりと存在するのが正しい。









敢えて言おう。




私が罪人だ。




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