self-righteousness
□星ヲ掻キ集メテ…見エタ真実
2ページ/30ページ
Innocent wing
どちらかというと嫌いだったよ。
偽善の塊、善の象徴?
糞食らえっ!ってさ…
でもね
今は嫌いじゃないよ。
今日も限り無く突き抜ける青空の下、ボクは待ち合わせの公園へ。
「オッ!やっと来やがった」
そこには、音楽仲間の面子が。
「おー。貴様らのゆーとこの天使とーじょー★」
腕を大の字に広げ、格好良く現われたボク。
………な…なんだよ。
可哀相な目で見んな!!
「久し振りにあったと思ったらコレだよ。」
「アホやな(笑)」
「天使とか自分でほざいたぞ」
「まぁまぁ、んじゃ行きますか」
今日は、スタジオに籠もりに行くわけじゃない。
久々に逢おうと集まったのだ。
それも野外。
ハッキリ言って、まだまだ外は寒い。
本当は外出さえ躊躇うボクだが、コイツ等と逢うのも久々だし、何よりも空がボクを呼んでた。
「うぉ〜!さびぃー!!」
小高い丘の上。
周りにコレといった建物が無いせいか、風が直接当たって身体を震わせる。
「結構いっぱいあんな」
「TIMY、お前の仲間がいんぞ(笑)」
阿呆な話をしながら、墓標の間を歩く。
此処はクリスチャンの眠る丘だ。
ボク等は時々此処へ来る。
此処の雰囲気は仏教系のそれと違い清々しさを感じるから。
十字架に形どられたソレ等の中に、ポツポツといる彼女達。
祈りを捧げるもの
今にも飛び立ちそうなもの
天使の像が、優しく見守っている。
「オマエ天使とか嫌いじゃなかったか?」
彼女達の1人に釘づけになっていたボクの耳に囁く声。
「んー?そーだったっけ?」
適当に返す。
そう、嫌いだったよ。
逢った事無いから存在は信じてない。
けど、別に存在したって良いと思えるくらいにはなったよ。
あの頃は、良心しかないなんて、なんて恐い奴等だと思ってた。
でも、識れば識るほど好きになった。
とても純粋なんだよ彼女達は。
神が言った事なら、迷う事なく実行するんだ。
それが虐殺だろうと…
なんてピュアな存在。
神が全てなんだね。
なんて幸せで
なんて可哀相なんだろう。
自由な純白の翼を持っているのに、鎖に繋がれているんだね。
神だけが全てなんだね…。
他の楽しい事、悲しい事、嬉しい事、淋しい事、醜い事、汚い事……
全て知らないんだろうね。
知りたくないんだろ?
他の事を、外を見てしまったら今までの全ては、崩れてしまうから。
「可哀相な奴等…」
ボクの声は澄んだ空気にさらわれた