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最初に言っておきますが、すっげーくだらない話です…。
*
勝呂は悩んでいた。
さっきから、棚の前を何回往復したか分からない。
いい加減にしないと、そろそろ店員に不審に思われそうだ。
しかし、勝呂はなかなか決心がつけられない。
わざわざ寮から遠いコンビニを選び、時間も、人が少なそうな早朝。
(だっ大丈夫や…誰も見てへんし、さりげなく買えばええねん!)
こそこそするなんて性に合わない。
しかし、しかし、そんな勝呂でも、これを手にするのは初めてなのだ。
緊張で、手のひらが汗をかいている。
さっきまでいた客がレジで会計を済ませて、店を出たのを確認してから、思い切って「それ」を手に…
「あれ〜?坊やないですかあ」
「のわあああ!?」
間延びした声と共に現れたのは、見慣れたピンク頭。
勝呂は伸ばしかけた手を慌てて引っ込めて、引きつった顔で答えた。
「し、志摩っ?なんでこないなところに…」
「いやあ、ちょっと欲しいもんがありましてん。」
「そ、そうかっ」
「坊はジョギングの帰りですか〜?朝からこんな遠くまで走ってはるんやあ」
流石坊やわあ。
ニコニコと話しかけてくる志摩に、平静を装いながら返事をする。
大丈夫、気付かれてはいない。
こんな物、もし志摩に見付かったりしたら、延々とからかわれること受け合いだ。
「ほ、ほな俺は先に出るわ」
「はい〜、また後で〜」
勝呂は誤魔化すために持っていたスポーツドリンクを手に、コンビニを後にした。
(く、くそ…俺としたことがっ)
*
志摩は、心なしか、よろよろしながら去っていく勝呂を見送った。
「ぶふっ」
自動ドアが閉まった途端、たえきれずに吹き出してしまう。
(いやー!おもろいもん見てしもた!)
たまたま限定の「制服少女図鑑」を買うために来たコンビニで、もっと楽しいネタをゲットしてしまった。
勝呂は必死で誤魔化していたが、何を買おうとしていたかなんてバレバレだった。
「コ○ドームてww」
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男子高校生が買うには、ちと敷居が高いのではないかと。
もちろん燐と使うためですよっと。
次で終わります。
20111006