小説*long

□旅の思い出
1ページ/11ページ






修学旅行前日




「和葉!」



通学路をひとり歩く和葉に
1人の女友達が満面の笑みで駆け寄った



「朝からえらい元気やなぁ
何かあったん?」



「実はな、藤本と付き合うことになってん」


「ホンマに!?
良かったやーん」




彼女の名はユキ
同じクラスの女子である

藤本も同じクラスで、
平次とも仲の良い男子である


そしてユキと藤本は親同士が仲良しで幼なじみ


それは平次と和葉のような関係




「ユキ、ずっと片思いしてたもんなー」


「へへっ
めっちゃ嬉しいわ」


「なんや最近、彼氏出来た子多ない?」


「当たり前やん
明日から修学旅行やで
イベントの前っちゅうんは当然やん」



そう
明日から修学旅行
4泊5日の北海道の旅



「和葉も服部に告ったらええやん
自由行動二人で廻れんで」


「えっ」


頬を赤く染める和葉を見て
ユキは笑った



「絶対上手くいくと思うんやけどなぁ」


「平次はアタシのことそんな風に思ってへんよ」




平次から見たアタシは
ただの幼なじみ

それ以上でも以下でもあらへん



アタシはただの幼なじみやのーて
『彼女』になりたいんやけど‥



「和葉ぁ?何考えてん?
顔真っ赤やで」



「へっ!?
や、なんでもあらへんよ!」



和葉は赤らめた頬を手で隠し
足早に学校へと向かった




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ