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□残念ながらべた惚れ
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寄り掛かると、貴女はまるで見透かしたかのように、撫でて欲しいと思ってたとこを撫でてくれる。
そのまま、甘えるように抱き付くと、それに応えるかのように、腕を背中に回されて、優しく受け入れてくれて。
いつもは、本気で困った時以外、冷たくあしらわれたりする。まぁ、それは私の為にわざと冷たくしてるって分かってるから、好意は倍増する一方なのだけど。この天然さんは、それを分かってるのかね?
でも、二人きりの時に甘えれば、私の望むように応えてくれる。頭撫でてくれたり、抱き締めてくれたり。
なんか、手懐けられてる気がしないでもないんだけどね。
「ねぇ、和ちゃんっ」
「ん?」
キス、して。
って、瞳で訴えたら、困ったように笑ってから、頬に軽くされて。
「…そこじゃないよ」
本当は、分かってるでしょ?私が欲しいもの、全部。
「でしょうね」
なんて、和ちゃんは悪戯っぽく笑う。
…いじわる。
「もう、いいよ。自分からするから」
言いながら、私は襲いかかる体勢に入る。
和ちゃんは、苦笑しながらも、受け入れる体勢に入って。
「最初から、そうすれば良いじゃない」
クスクスと、意地悪く笑う。きっとこうなることすら、予想済みなんだ。
でも、それでも構わない。
「…甘えたかったんだもん。もう、どうなっても知らないよ?」
「はいはい」
だって、私は。
余裕たっぷりのその反応すら、愛しいと思ってしまうくらい。
どうしようもないくらい、君にべた惚れなんだから。
End
お題拝借
確かに恋だった