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□元、赤面風景。現在、日常風景。
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「ん〜、おいし〜」
幸せそうな笑顔で、唯先輩はグラタンを頬張る。
今日の夕飯は、和先輩特製だから、その顔にも頷ける。
「本当、和ちゃんのグラタンって美味しいよね」
「うん、お店で食べるのより美味しいかも」
「うんうん。お店開けちゃうよ」
なんて、三人で誉めちぎっていると。
「…大袈裟ね」
言葉とは裏腹に、和先輩は顔を赤らめて、照れ臭そうに笑っていた。
ていうか、グラタンだけじゃなくて、サラダとスープも付いて、しかもそれがまた美味しいのだから、正直にレストラン顔負けだと思う。まぁ、憂の料理も負けてないけどね。
「あ、お姉ちゃん。ほっぺにソース付いちゃってるよ?」
「ほえ?」
口いっぱいにグラタンを頬張っていた唯先輩が、憂の言葉に間抜けな声を上げる。
「ほら、こっち側に…」
いまいち理解してないようだったので、次いで私が自分の頬を指差して、位置を知らせる。
「ん〜?」
舐め取ろうと、唯先輩は舌を動かしているが、惜しいところで届かない。
すると。
「もう、しょうがないわね」
唯先輩の隣に居る和先輩が、それをペロリと舐め取った。
それが、当たり前のように平然と。
「ん、ありがと〜」
対して唯先輩は、グラタンを食べてた時より幸せそうに、へにゃりと笑う。
以前の私なら、この光景に顔を赤らめていたのだけれど。
「…梓ちゃん?」
妙に悟ったような気分で二人を見ていると、憂に不思議そうに顔を覗き込まれた。
「いや、慣れって怖いなって」
「そう?二人とも幸せそうで良いじゃない」
「まぁ、ね」
私も幸せそうな二人を見るのは嫌いじゃない。以前は見てて恥ずかしいくらいのバカップルだと思ってたけど、今は二人があまりに幸せそうで見ているとこっちまでほんわかしてしまう。
それに結局のところ、私達だって似たようなもので。
「憂、ソース付いてるよ」
姉妹揃って、大好きな幼馴染みが作ったグラタンが美味しいのは分かるけど、もうちょっと落ち着いて食べればいいのに。
「え?何処に?」
「ほら、ここ」
先の和先輩のように、ペロリとそれを舐め取ると。
憂もまた、幸せそうに笑う。勿論、唯先輩とはまた違った笑顔で。
「熱いね〜」
それに対して、唯先輩が茶化してきて、和先輩はとても微笑ましいものを見るような眼差しを向けている。
「唯先輩にだけは言われたくありませんっ」
「あずにゃんしどいっ」
そんな私達のやり取りを見て、憂と和先輩は楽しそうに笑ってる。
そうして、今日も穏やかな夕刻が過ぎていく。
これが今の、平沢家の日常風景。
End
あとがき
平沢家にちょくちょく泊まるようになって、バカップルが日常風景化してしまったあずにゃんな話でした。
最近、アニメ14話見て、唯と和は平沢家で勉強中で、憂がちゃっかり梓の元へ居て、全力で悶えて寝床を転げるところでした☆←
そして、勢いで書いたのが、この駄文(・ω<)