ハレルヤ

□悲しむのはまだ早い
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すんなりYesと答えてくれるとは思ってなかったけど実際に言われると意外とキツい。跡部さんに望まなかったからだと言われたときに薄々分かっていたことなのに。





「名無しさんちゃんに会ってきたんだろ?」


実家に着くと親父にそう聞かれた。何も答えないでいると、断られたか?と続けた。何かを分かっててそう言ってるのか、ただの当てずっぽう言ってるのか、親父の考えてることは分からない。




「そりゃあそうだよな。何年も連絡を取らないでいたんだからな」


何年も連絡を取らないでいたことは悪いと思ってる。それは中途半端なことをしたくなかったから。それでも連絡を取らなかったことは事実だ。




「しかも女の噂まであるときた」


「それは事実じゃないんだけど」


「事実でも事実じゃなくてもそういう噂が出たら傷付くだろ」


…傷付く。名無しさんは傷付いた。そんな噂が流れたことについてと何も弁解しなかった俺に傷付けられた。名無しさんなら分かっていると心のどこかで思っていた。だけどそばにいないと伝わらないことだった。





「まだまだだな」


親父がそう言い残す。確かにそうかもしれない。俺は自分のことしか考えてなかった。だったら今からどうすればいい?信用できないと言った名無しさんに信用してもらうためには。








悲しむのはまだ早い
(逆境転じて福となせ)



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