ハレルヤ

□恋をする決意
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全部を忘れようと決意したあの時から2年も耐えた。耐えたって言い方はおかしいかもしれないけど正しい気もする。同僚の子たちは私があの人のことを好きじゃないと言ってから話題に出さなくなった。むしろミーハーな子はとっくに他の人に興味が向いていた。





あれから忙しいのか跡部さんに会うこともなくなった。もともと多忙な人。あの人とのことを心配して今まで誘ってくれたことが凄いことなんだと実感する。
柚とは結構頻繁に会ってる。全部を知ってくれているから無理矢理過去のことには触れようとしないけど最近の口癖が。




「いい人紹介しようか?」


それにいつも私はあいまいに笑って誤魔化す。そろそろ本当に…と呟く柚の言うとおり、同い年の友達から結婚式の招待状が届くことも多くなったのは事実。それに比べて私は恋人どころか好きな人すら出来ない。



未練はないつもりなんだけどきっと心のどこかで比べてるんだろうな。それじゃいつまで経っても進めないことは分かってるんだけど。






そういう風にあの人のことと恋愛そのものを出来るだけ遠ざけていて過ごすことに慣れた私にはその時気づくはずがなかったんだ。速報!と忙しないタイトルを付けて各メディアを駆け巡っていた情報に。








恋をする決意
(それが足りてないせいだ)



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