ハレルヤ
□結局は自分しだい
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「本当に信じられない!」
柚がそう言いながら飲み干したビールジョッキをダンっと置いた。久しぶりに一緒に飲んだけれど相変わらずいい飲みっぷり。もちろん冒頭の発言はリョーマのこと。
「何年間名無しさんを放っておいてるわけ?」
ビールを飲んでリョーマの愚痴を言っての繰り返し。他の人にリョーマのことを言われるのは少し嫌だけど柚にはそう思わない。本当に心配してくれてるって分かるから。
それで名無しさん、と柚が急に話を切り出す。ずっと一緒にいるから分かる、次言われることが。
「今、あいつのことどう思ってるの?」
ほら来た。忘れなよとか自然消滅だよとか柚は基本的に言わない。まず私の意見を聞いてくれる。私が今どう思っているのか。だから本音で話せるんだと思う。
「いい加減忘れないとって思ってるよ」
時間が掛かりそうだけど努力はする、と言うと柚は切ない顔をした。無理してない?と言われれば無理してるのかな。でもここまで来れば無理してでも忘れなきゃならないと思うから。
「跡部さんも将来のことを考えて決めろって言ってた」
「さすがしっかりしたことを言うね」
やっぱりそれが本来持つべき考えなんだよね。頭では分かる、あとは心がついてくればいいだけ。
結局は自分しだい
(将来のことを考えて決める)
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