ハレルヤ

□結局は自分しだい
1ページ/1ページ




「本当に信じられない!」


柚がそう言いながら飲み干したビールジョッキをダンっと置いた。久しぶりに一緒に飲んだけれど相変わらずいい飲みっぷり。もちろん冒頭の発言はリョーマのこと。





「何年間名無しさんを放っておいてるわけ?」


ビールを飲んでリョーマの愚痴を言っての繰り返し。他の人にリョーマのことを言われるのは少し嫌だけど柚にはそう思わない。本当に心配してくれてるって分かるから。





それで名無しさん、と柚が急に話を切り出す。ずっと一緒にいるから分かる、次言われることが。



「今、あいつのことどう思ってるの?」


ほら来た。忘れなよとか自然消滅だよとか柚は基本的に言わない。まず私の意見を聞いてくれる。私が今どう思っているのか。だから本音で話せるんだと思う。




「いい加減忘れないとって思ってるよ」


時間が掛かりそうだけど努力はする、と言うと柚は切ない顔をした。無理してない?と言われれば無理してるのかな。でもここまで来れば無理してでも忘れなきゃならないと思うから。





「跡部さんも将来のことを考えて決めろって言ってた」


「さすがしっかりしたことを言うね」


やっぱりそれが本来持つべき考えなんだよね。頭では分かる、あとは心がついてくればいいだけ。







結局は自分しだい
(将来のことを考えて決める)




.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ