ハレルヤ

□慰めなんていらないよ
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リョーマが旅立ってから彼の家に遊びに行って彼の部屋で泣いた夜。今はそんなことあったなあとしか思えない。あれからもう大学も卒業して社会人2年目。10代だった私はもう成人している。




あの頃を懐かしむ私の隣にはリョーマはいない。詳しく言うとちゃんと連絡を取り合っていたのは1年にも満たない。一方的に送ってみたものの返信はゼロ。返ってこないと分かってて送るのも悲しいだけだからもう送っていない。






「…あ、また勝ったんだ」


だけど元気なのは知ってる。本当に今の文明に感謝します。ここ4、5年で日本から来た越前リョーマの話題は数々のメディアを通してアメリカ中、そして日本中に広まった。だから彼の存在は画面を通さなければ分からない。




連絡が途絶えた今でも寂しいかと言われれば寂しいし、会いたいかと言われれば会いたい。リョーマのことを考えなかった日なんかない。それでもいい加減忘れようと何度も試みてはみたものの、テレビをつければ越前リョーマの名前。新聞や雑誌を見てもその名前。そして旅立ったあの日彼が言った、待っててよの言葉。


我ながら素直すぎるバカだとは思う。だけどいつまで経っても彼が頭から離れない。私はいつまで彼を想っていたらいいんでしょうか。そして彼は一体何を考え、誰を想っているのでしょうか。私はどうしたらいい?








慰めなんていらないよ
(欲しいものは真相)




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