ハレルヤ

□響く泣き声を無視して
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桃先輩とさよならしてすぐ部屋に帰って、メールを送ったって返ってくるか分からないけど送ってみる。桃先輩に伝えたよってことと桃先輩からの連絡を無視しちゃ駄目だよってことを。




しかし返事はご飯を食べてもお風呂に入っても返ってこない。そもそも桃先輩のを返さないで私に返ってくるのかな。


日本にいた時からあまりメールをするような関係じゃなかった。それでも毎日のように会えてたから気にならなかっただけ。でも今の連絡手段はメール、電話くらいしかないことを彼は分かってるのかな。




…そっか、連絡手段はメールか電話ぐらいしかないんだ。自分で考えたくせに落ち込んでしまう。リョーマがいたらめんどくさいんだけどとバッサリ切り捨てられそう。いや、リョーマがいたらこんなこと考えてないのか。とりあえず今の私は非常にめんどくさい。





「もう寝よう!!」


こんなことを考えていたって返ってこないのは事実。自分の嫌な空気を振り払うように1人で大きな声を出す。そしてそのまま布団に潜って無理矢理目を閉じた。



布団の中で悲しいことは考えないようにしてリョーマと付き合い始めた頃から思い出してみる。自信たっぷりに告白してきたリョーマ。楽しそうにテニスをしている姿。カルピンと遊んでいる姿。それはまるで走馬灯のよう……いや、終わりじゃないんだってば!!頭をぶんぶんと振って邪気を追い払い、眠りにつく。








響く泣き声を無視して
(きっとそのうち返ってくる……はず)



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