クロスロード

□例えるなら、日溜り
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赤也くんと付き合い始めて1ヶ月。そろそろかなーって思ったんだよね。というか、この1ヶ月間何もなかったことが不思議。





「分かってる?所詮、あんたなんか遊びなんだからね」



またあのときの女の子たちに同じ場所で囲まれた。この子たちはブン太ファンなのか、赤也くんファンなのかどっちなんだろう。あ、仁王絡みもあったっけ。じゃあテニス部なら誰でもいいのかな。


とにかく今は私が赤也くんと付き合っているのが面白くないらしい。ちゃんと分かってますよ、不釣り合いなことくらい。





「いつか捨てられるんだからね!」



そう言ってあはは、と彼女たちが笑い出した。赤也くんと付き合っていて恨まれるのはわかっているけど、今のは許せない。赤也くんのファンなんでしょ?何でそんなこと言えるんだろう。





『赤也くんはそんな人じゃない!』



あ、言ってしまった。でも仕方がない。だって許せなかったんだもん。これでどうにかなっても後悔はない…と思います。





「あんた、自惚れすぎ!」


やっぱり怒られた。一応覚悟していたけど迫力がすごい。そしてこの状況ってもしかしてまずいよね。





「あんたらの方こそ、自惚れすぎなんだけど」



声がした方をパッと見ると、ゆっくり階段を一段一段上がってくる人物。息切れをした私の素敵なヒーロー。






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