クロスロード
□見え透いた嘘は止めにして
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枕に顔を埋めたあと、どうやら私はいつの間にか眠っていたらしい。そしていつの間にか泣いていたらしく、涙で枕が少し濡れている。
何の涙なんだろうね、そう空笑いをして虚しさだけが残る。やっぱり昨日のことは消えていない。
パッと窓の外を見ると、辺りは朝靄に包まれていた。時計はもう少しで4時半を指すところ。帰ってから一度も起きなかったので、たっぷり睡眠を取ったはず。だけど頭がガンガンして身体が怠い。
『とりあえずお風呂入ろう…』
重たい身体を起こしてフラフラとした足取りでお風呂場に向かった。シャワーを浴びれば目が覚めるはず。それなのにどんどん身体は怠くなる。私だってバカじゃないから分かる。でも大丈夫だと思いたい。
お風呂から出てフラフラと自分の部屋に戻った。うん、前言撤回。やっぱりこれはなかなかマズイのかも。
『ちゃんと学校行かないと、だよね』
赤也くんに気まずいと思われたくない。ブン太にはあまり会いたくないけど。
告白されて以来ずっと、ブン太が知らない男の人に見えている。甘いもの好きで可愛らしいブン太じゃなくなっている。まるでそんな彼は知らない男の人のよう。
ただでさえボーッとしている頭でそんなことを思い出していると、余計頭が痛くなる。その考えを振り払ってみる。あー、余計頭がぐわんぐわんしてきた。
そんな頭痛や身体の怠さと戦いながらゆっくり学校に行く準備。ゆっくりすぎて、家を出るのがいつもと差ほど変わらなかった。
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