男装歌姫

□男装歌姫9
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朝食を食べ終わって……

僕はいつも師匠がいる場所へ向かった
瑠亥も多分そこにいると思う

本当にやるのかな少林寺…

正直、今は本当に瑠亥の相手はしたくない
それは瑠亥が女だとわかったからで…

もし聞いてなかったら普通に相手していたと思う。僕だってやりたいし、

でもそんなこと言ったら瑠亥に失礼なのはわかってる
本当に相手することになったら…

その時はその時、だ


師匠のいつもいる場所に近づいて来ると
誰かが少林寺をやっているようで声が聞こえてきた

この声は多分、瑠亥だ


瑠「…はッ!……はッ、はッッ!!」


きびきびとした声が朝の空気に響いて心地よい…


万「ふーむ……なかなかいい筋じゃな瑠亥」


瑠「ふぅー……………、
そうでもないですよ。佳主馬に比べたら
…………ありがとうございます」


万「もうそろそろ佳主馬も来る頃じゃろ。一度、手合わせさせようかのぅ…」


瑠「はい!そのつもりです…
けど、多分……、手加減されると思います、」


佳「……………………」


やっぱり瑠亥も予想していたらしい
僕は廊下の角を曲がらず聞き耳を立てて二人の会話を聞いていた


万「それはおぬしが…………女じゃからか?」


瑠「……………そうです。他にもいろいろと、ありますが…、
もし俺が女だって言わなかったら佳主馬は普通に相手してくれた、と思います」


佳「……………図星じゃん、;;;」


万「なぁに大丈夫じゃ!ここの家の女は代々強くてな、
女だって闘えることくらい佳主馬もしっとるさ
夏希だって万理子だってそうじゃろう?」


佳・瑠「「(確かに………;;;)」」


万「お前さんだって将来陣内家に嫁ぐことになるんじゃから…」


………………ん?、師匠…
今なんか、変なこと言わなかった…?


瑠「………………………………………へ!?!!!?
ちょっ、ちょっと待って下さい!

…だ、だ……誰に嫁げって…?」


万「そりゃもちろん、佳主馬じゃよ!
お主らなかなか…中2にしちゃあいい
コンビだぞ!!」


佳「…………師匠、;;」


瑠「な!な、ななななに言ってるんですか!!?
嫁ぎませんよ!結婚だとかだって、まだまだ先の話です
何も考えちゃいませんよ、……俺には、早すぎます」


万「そんなことはないわい!元気なひ孫が見られれば
わしも生きていた甲斐があるもんじゃ」


佳「……………………………………」


瑠「ひ孫っ!!?!?!?話飛びすぎてませんか???!!」


早くも遠い未来を見据えている師匠に対し、瑠亥は当然の如く顔を歪めて……
どう反応すればよいか、僕にも分からなかった

まぁ…
瑠亥と結婚っていうのは嬉しいけどね、

呆然と立ち尽くして師匠を見つめる瑠亥に
そろそろ行かなきゃと思う僕は、角を曲がって師匠のもとへ歩いた……


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