男装歌姫
□男装歌姫2
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瑠「佳主馬」
佳「なに？」
瑠「俺がOZやらないの、知ってるよな？」
佳「うん」
瑠「じゃあ誘うなよ…」
瑠亥が呆れているのが見なくとも分かる
だから僕はパソコンから視線をそらさずに会話していた
瑠亥が何故OZをやらないのかは僕にもよくわからない
佳「……こないだやってたじゃん」
瑠「！？いつ見た！！？…………
つーかやってねぇよ！！！」
佳「……………………」
僕は瑠亥がOZをやっているところを一度も見たことがない
それゆえアバターも知らない
だから今のは嘘
それくらいは親友の瑠亥も分かっていたようだ
でも、こっちにだって分かることがある
瑠亥が何かを隠してOZをやっていることくらい………
佳「……もうすぐ試合だ」
瑠「そうか、頑張れよ〜…」
またそういっていつも気の抜けた応援をするんだ瑠亥は…
瑠亥は真っ黒いパソコンの電源をいれてカタカタとキーを打ち始めた
何をやっているかは知らない…
一回前に何をしてるのか気になって覗こうとしたけど
ぶん殴られたのを覚えている。あれは痛かった…
佳「……いつも何してるのさ」
瑠「……………………」
佳「……………………」
そう聞いたところで答えを返してくれるわけがない、か……
瑠「………………詞、」
佳「…………え…、？」
ヘッドフォンをずらして顔だけをそっと瑠亥に向けた
瑠亥は相変わらず、無表情でパソコンのキーを打ち続けているけど…
今、確かに何か言っていたのが聞こえた
瑠「だから、………詞、」
佳「……詞？」
瑠「そ、詞を書いてる」
僕を見てニッと笑う
ここへ来て初めて瑠亥が笑った気がする
可愛いな……
佳「なんで詞なんか……」
瑠「これ以上は言えないよ」
そうしてまた視線をパソコンへ戻してしまった
僕もそれにつられて顔を戻す
前までは絶対に何も答えてくれなかったのに…
瑠亥って以外に謎が多いかも
佳「そう言えば、また歌姫が新曲を披露するみたい」
瑠「興味な〜い」
佳「知ってる、言っただけ」
瑠「……………そ、」
佳「明後日の夜に公演か…。生演奏だって」
瑠「見に行くわけ？」
佳「……暇だったら」
瑠「……………そうか、………
そう言えば佳主馬は“誰の挑戦でも受ける”んだっけ？」
佳「それが？」
瑠「…自信家だねぇ。と思っただけ」
佳「…………勝負する？」
冗談で言ってみた
当然、断るのなんて目にみえてるし…
僕がOMCのチャンピオンだってことも知ってる
でも想像もしない返事が返ってきた
瑠「………いいよ、やるか」
佳「………………え、…
今なんて？」
瑠「誰の挑戦でも受けるんじゃなかったの？」
佳「……………………」
なんで今日はこんなにいろいろやってくれるわけ…？
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