男装歌姫

□男装歌姫15
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ルイは今、OZの情報管理棟内に捕まっていた

が、サクマからの指示で脱出を図る最中でもあった


ル「(管理棟内にはノイズはいないって聞いたが…おかしい…)
これまでのナオの行いにしては手緩すぎる…」


サ『なんか言ったか?』


ル「あ、大丈夫です。サクマさん、指示お願いします…!」


サ『急いでいくぞ!まず最初に…』


ルイはサクマからの指示を聞きながらアバターの少ない場所へ移動した

他のアバターに聞かれると面倒だ
我先にと脱出口へ駆け寄られてしまうだろう


ル「いまアバターのいないところへ移動しました。
これから俺はどうすればいいですか?」


サ『あ!ちょうどいいところにいるな。そこに通気口があるだろ?』


ル「つ、通気口…?」


辺りを見回すとちょうど足元に縦横50センチほどの小さな通気口…
らしき穴があった


ル「…なんでこんなところに通気口なんか…;;」


サ『管理内の熱を籠らせないためだ。
どうしても情報が集まると熱が溜まりやすくなるからな』


ル「あぁ、なるほど……」


ルイはしゃがむとその通気口に触れる
通気口は鉄格子によって塞がれていた

“さて、どうしよう…”


ル「壊していいなら壊すけど…」


サ『まてまて!あんまり目立った行動はするなよ』


ル「どうすればいいですか?この鉄格子…」


サ『ボルトを捻れば簡単に外せるはずだ』


ル「あ、…ありました」


鉄格子の端に留められてあるボルトをクルクルと外す

意外と簡単に取れてしまった


ル「(おいおい、こんな簡単に外せていいのかよ;;;)
取れました。中、入れます」


サ『よし、じゃあ入ってくれ』


ル「分かりました」


ルイはその小さな穴をくぐりぬけた

中は広くは無かったが隠し通路のように普通に立って歩けるほどの空間があった

横幅は…ルイのアバター二体分ほど…


ル「ほ、ほんとにここ、通気口なんですか?;;;;」


サ『ま、…つべこべ気にせず、さっさとケンジのやつと合流してくれ
そのまま右に、道なりに進めば会えるな』


ル「(つべこべって…)………了解」


いろいろ疑問点があるも、ルイはサクマの言う通りに右に曲がり、
道なりに進んでいった


ル「(カズマ大丈夫かな…)」
























一方カズマはというと…


カ「…………………………(ノイズが多い…)」


サクマからの指令である場所に向かっている途中であったが
予想外にもノイズの数が多く、見つからないように動くのに苦労していた


サ『キング!大丈夫か?』


カ「ノイズの数が多い…倒してもいいの?」


サ『まてまて!ルイと同じようなこと言うなよ、目立ったら作戦失敗だ!』


カ「…………………(ルイ…)」


目の前で消えてからルイの姿は見ていない…
サクマさんの話を聞いて少しほっとすると
カズマはノイズの監視を縫って再び走り出す


カ「ごめん、手こずった。今から急ぐ。指令よろしく」


サ『そうこなくちゃな!どんどん行くぞキング!』


カ「うん…!」


サ『まず最初に……』


サクマさんから次々受ける指令を難なくこなしていく

途中何度かノイズに見つかりそうになったこともあったけど
それを何度もすり抜けてやった


ようやく、目的地が見えてきそうだった


カ「………………ここは……」


目の前には情報管理搭の入り口が構えていた


この中に、ルイがいる……



カ「サクマさん、着いた。……ノイズの数は今までで一番多いけど」


サ『やっぱりな、そう簡単にはいかないか……』


カ「僕がすべきことは管理搭入り口の破壊……
中のアバターを逃がせばいいんだよね」


サ『ああ。爆弾の方の解除はルイとケンジがいってる』


カ「!!ルイが?!」


サ『ここの爆弾解除の方法はケンジの得意な数学問題なんだ。…………パスワード解除に二人必要なら多分、』


カ「爆弾解除にも二人必要……」


それにしたって危ない

ルイとケンジに全て情報管理搭が託されているなんて……



カ「……………………」


サ『キング!右に回ってくれ、そっちの方なら手薄そうだ』


カ「……分かった」


ルイ……、絶対助けるから











ル「あれ?…………こっちであってるか?」


サ『道なりに進めって言ったのになんでそんなところにいるんだよっ!』


ル「あはははは…………悪ィ;;;;
俺、方向音痴なんだ」


サ『重症だな』


道なりに進めと言われて何故か指定の場所とは違う場所にいたルイ

さ迷うはずのない一本道の通気口をさ迷っていた


ル「あれ?……えーと、さっきこっちから来て……」


サ『違うだろ!そっちにいくんだよ!』


ル「……?……あ、あぁ、なるほど……」


サ『ちょっとこれじゃあらち空かない。ケンジを今向かわせてるからそこにいてくれ』


ル「あ、……分かりました;;;;」
 

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