男装歌姫

□男装歌姫14
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バンッ!!!


瑠亥が突然立ち上がって居間を出ていく


佳「!!」


健「えっ…、!」


夏「瑠亥ちゃん?」


何も言わずに立ち去った瑠亥の行動にもまた、静寂が走った…


















なんで…、!

なんでこんなこと…


瑠亥は自分の荷物の置いてある部屋に駆け込むと
バックを開けてノートパソコンを取り出す

秘密で持ってきた、もう一台の真っ白なノートパソコンを…

素早くそれを起動させてOZにログインする


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ル「ナオ!!居るんでしょ?!出てきて!!」


ルイは個室トークルームにナオを、招待した

しかしナオは現れない…


ル「出てきてッ!なんでこんなことをするのか、説明してちょうだい!!」


?「…………………………」


ル「答えてよっ、ナオ…!私は、ずっとあなたのこと信じてた
なのになんで、!!
“ルイサポーター”ってナオのことなんでしょ!?」


?「………ルイ」


ル「!!ナ…「裏切ったのは君だ」………へ…?」


いきなり誰もいない空間に声が響く。
……ナオだ

そしていきなり訳のわからないことを言い出した

ルイは困惑した表情でグルグルと辺りを見回す


ル「どういうこと?!」


ナ「君がキングカズマなんかに心を向けなければ良かったんだッ!!!!!!
天使の歌姫ルイはみんなのものだろ!?!?!!?」


ル「!!」


ナ「大好きな歌姫ルイがキングカズマに恋をし、そいつのためだけにしか歌わなくなった…
それだけでファンがどれだけ悲しいか…分からないだろうな」


ル「そんなことっ…!!」


思ってない

それに、たったそれだけのことで?


ル「そんなことで、…
そんなことでたくさんの人巻き込んで…、!
ナオ、あなた…今何をしてるか分かってるの…?
OZを乗っ取ってるのよ?!捕まっちゃう!」


ナ「それでもいいさ、歌姫を僕のものだけにできればね」


ル「!!………ナオ、」


ナ「パフォーマンス、楽しみにしてるよ
観客は僕だけだけどね…」


ル「そんな、………ルイ、サポーター…」


チャットはそこで強制終了させられた
そりゃそうか…
OZは今、ナオによって占拠されているのだから…


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しばらくの間、ログアウト後の、電源を切った真っ暗な画面のパソコンを
ぼんやりと…気づけば放心状態で見つめていた

これからどうすればいいんだろうか…

間接的にでもやはり、自分が悪いのは一目瞭然だ

やっぱり、OZなんかやらなければ良かった…
ルイがいなければこんなことにはならなかったっ…!
自分の声がなければこんなことッッ!!


瑠「ッ………………!」


畳にはポタポタと濡れたシミが広がっていた

どうすればいいの…?

助けて、佳主馬…
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