男装歌姫
□男装歌姫12
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スタートボタンを押したと同時に表れたのは画面いっぱいの数列
瑠「……多い！」
健「瑠亥ちゃん！できる！？」
瑠「できるよ！大丈夫」
そう答えて瑠亥はカタカタとキーを打ち始める
それに引き続き、健二兄も画面に向き合って計算を始める
目まぐるしいスピードで回転しているであろう二人の脳ミソを
止めることのないように僕と夏希姉は息を潜んでそれを見守った…
最初に終わったのはやはり健二兄
健「終わった！」
瑠「ちょっと待って！」
佳「………瑠亥？」
瑠「…………くっそ…」
かなり苦戦してる…
歯をくいしばってキーを叩く瑠亥
残り時間はあと………10秒
瑠「っ…」
夏「瑠亥ちゃん頑張って！！」
健「瑠亥ちゃんっ…！」
佳「……瑠亥！」
あと5秒
瑠「……っ！…できたっ！！」
3…
健「いくよ！」
2…
瑠「うん！！」
健・瑠「「せーーの！！」」
1…
カチッ！！！
………………………
ピーーーーーーーーーーー…！！
数字だらけだった画面が一瞬で消える
真っ暗になった画面には何もない…
瑠「………え、…な、なに、？」
夏「止まった……？」
佳「いや、……
……………………………
成功したみたいだよ」
僕の言葉と同時にパソコンの画面は
OZの世界の景色になる
極彩色の世界が広がった
僕と瑠亥は顔を見合せパチンッとハイタッチ
瑠亥が満面の笑みを見せホッと安堵のため息をついた
瑠「良かったぁ〜！失敗したらどうしようかと思ったぜ」
佳「ほんとに数学できたんだ…(てか、可愛い…)」
瑠「ひでぇなお前;;;」
夏「健二君！やったね！！」
健「はい！やりました夏希先輩！！」
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相変わらずOZにいるアバターの数は少ない
カズマとルイ、ケンジ、サクマのアバターがキョロキョロと辺りを見回していると
ナツキがポコンッと現れた
ル「あっ…！」
ナ「やった！入れた！」
ナツキ姉がルイに抱きついて喜ぶ
ルイもニコニコと笑ってナツキ姉の肩を持った
サ「これでお前らだけは一安心………ん？」
ケ「どうしたのサクマ？」
サ「ちょっと待ってろ…………
おかしい………」
カ・ル「「………………………！！…」」
カズマとルイのアバターは同時にピクンと長い耳を動かし上を見上げた…