男装歌姫

□男装歌姫7
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そういえば明日の夜だっけ?
ルイのパフォーマンスステージは……

佳主馬が言っていた言葉を思い出す

明日か……本番は、














夕食の時間帯になっても瑠亥は来なかった
それなのに何故か夏希姉はいた。夕食に来いって強制的に呼ばれた
仕方なく夏希姉の後に続いて居間に入ったけど、そこにも瑠亥の姿はない


佳「夏希姉、瑠亥はどうしたの?」


夏「今から重大発表するから準備して待ってもらってるの」


佳「重大発表?なにそれ…」


夏「まぁまぁ、w
もうすぐ登場させるから、」


佳「…………………………」


訳わかんないし………
今から何すんの?


夏「あ、あのねみんな!ちょっと瑠亥君が聞いてほしいことがあるんだって」


万「……………………」


万理「瑠亥ってあの礼儀正しい……佳主馬の友達のことよね?何かあったの?」


佳「…………………」


万理子おばあちゃんがそう僕に聞いて顔を向けてくるけど
それは僕だって知りたい

なんで師匠はさっきから黙ってるんだろう…?
もしかして、何か知ってるんじゃ…


健「瑠亥君、どうしたんですか?」


夏「ちょっと待ってて、呼んで来るから」


健二兄の質問に夏希姉は席から立ち上がると廊下を走って行く




しばらくして、廊下の方から何か言い争っている声が聞こえ始めた


瑠「な、ななな夏希姉!!止めて下さい!もういいですから!」


夏「何いってるの!ここまで来たんだからちゃんとみんなには申告しなさい!」


瑠亥と夏希姉の声だ
一体何を言い争って………


瑠「無理です、夏希姉!なんて言えば良いのかなんて全然整理出来てないんです
また今度で「今度っていつ?」…うっ……」


夏「大丈夫!ちゃんと話せばみんなわかってくれるよ」


瑠「で………でも、」


夏「ほら!出る出る!!」


瑠「わっっっ!!?」


そうして押されたのであろう瑠亥は廊下の角から飛び出してきた


白い、朝顔のちらしてある可愛らしい浴衣を着て…



瑠「///////////////」


「『……………………え…………!?』」


瑠「あ、…………ぁ、ぇ〜…うっ、」


な、…何、これ………

なんで瑠亥が浴衣なんか着て…
しかも、まるで女の子みたいに髪の毛がセットされていて…

状況が呑み込めない
それは僕だけの話じゃなく、家族皆もだ

……夏希姉と師匠は除いて


固まっている皆、と同様に固まっている瑠亥は
たくさんの視線を受けてつっ立っている
…………緊急しているようだ

それに気づいた夏希姉が瑠亥の背中を叩いた


瑠「!!」


夏「ほら、言わなきゃ!」


瑠「え、!………あの、えっと……………………あ……………
………………えと、……………その…………………
……………お、………………俺………
……俺、は…………………
………女なんだ。、隠しててすみません…!
と、特に、…かか、佳主馬!本当にごめん!!!」


瑠亥は勢いよく、風を切る音が聞こえそうなくらい激しく頭を下げた

…………え、
今、なんて言った……?


佳「え……………………
瑠亥は、その、え?……女…?」


瑠「…!……………っ、…」


僕が驚きに満ちた顔で言ったのが留めだったかもしれない
瑠亥は下唇を噛んで、顔を真っ赤にして、廊下走って行ってしまった
居間には静けさが残る…


夏「………瑠亥君、過去にトラウマがあるみたいで…
女でいるのが恐いんだって、言ってた」


「『……………………』」


万「…あれだけ言えりゃあ女として十分過ぎるくらいじゃ。そうじゃろう?」


聖「あの、佳主馬は……知ってたの?」


佳「……………!……」


母さんに聞かれてハッとした
そんなこと、決まってる


佳「………知らない」


瑠亥はなんでそんなこと…
トラウマって……なんの?

それを解明するためには聞かなきゃいけない…………………本人から、


佳「…瑠亥っ…!!」


僕はすぐさま立ち上がって瑠亥を追いかけた……


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