男装歌姫
□男装歌姫6
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もうすぐ夕方…
万助おじさんに少林寺教えてもらおうかな
僕はパソコンをログアウトして瑠亥のいない納戸から出た
瑠亥、一体夏希姉となんの話してるわけ…?
心配になってきた心を落ち着かせるため、
足早に万助おじさんの元へ向かった
佳「師匠!………少林寺、教えて下さい!」
万「おーぉ、佳主馬!元気そうじゃな。どれ、久しぶりに見てみるか」
佳「ありがとうございます師匠」
万「ん?あの小僧はどうした。佳主馬と一緒に居ったじゃろう?」
佳「……夏希姉と話してる」
万「そうかぁ、そりゃあ残念だったな。あの小僧にも教えてやろうと思ったのに」
佳「瑠亥も少林寺やってるよ」
万「何ィ?!そうなのか!それはワシも興味がある。一度見てみたいものじゃ……
よし、ワシが小僧を呼んで来よう」
佳「…………はい、?」
万「佳主馬は先に外へ出ておれ。小僧を連れて後で行こう」
佳「……………え、?いや、…瑠亥は夏希姉と…」
引き止めようしたけど既に万助おじさんは視界から消えていた
はぁ〜〜……
顔を片手で覆ってため息をつく
瑠亥と少林寺できるのは嬉しいけど…
今は何故か瑠亥とは関わっちゃいけない気がした
夏希姉に連れられてきたのは栄おばあちゃんが使っていた部屋
俺はそこに立たされて夏希姉は棚から何かを探していた
夏「おばあちゃん!瑠亥君の一世一代の告白のために、借ります!!」
瑠「夏希姉……一体何を(てか一世一代って;;;;)」
夏希姉は無回答で何かを探し続ける
立っているのも辛いので正座して待つことにした
痺れるかな…
そろそろ足の限界に近づいてきたころ
突然夏希姉が声を上げて喜んだ
夏「やった!瑠亥君見つかったわよ」
瑠「………な、何が?」
夏「浴衣!これに着替えてもらうから」
瑠「……………………」
白い布地に朝顔が可愛らしく描いてある浴衣
ほんとに着るわけ?
浴衣を目の前にして少しあと下がった
夏「じゃ今から着付けするから、絶対に動かないでね?」
瑠「は、……はい(威圧が…;;;;)」
俺、これからどうなるんだろ…
着付けして、最終段階に入ろうとしているときにそれは起きた
瑠「な、つき姉…。苦し、」
夏「大丈夫大丈夫!あと少しだから」
瑠「(気分悪くなってきた……)」
鏡に映る自分が自分じゃなくて…
でも本来の自分のような気がする
浴衣は俺にピッタリで夏希姉が感激したくらい、似合っているようだ
自分じゃそんなのよく分からないけど…
後は帯を後ろで結ぶだけで完成だった
それから隠れて出番を待つのみ
そう思っていたのに………
万「お〜い!夏希〜〜!!どこにいる」
夏「ま、万助おじさん!?」
瑠「(佳主馬の師匠だ;;;;;)」
障子の向こうから声が聞こえた
かなりヤバイ…
万「ん?ここにおるのか?」
夏「待って!何の用?!」
万「そこに瑠亥っちゅう小僧もいるじゃろ?」
瑠「(俺っ?!)」
万「これから佳主馬の少林寺の稽古のついでに小僧のも見たいと思ってなぁ!」
夏「(瑠亥君少林寺やってるの!?)」
瑠「(佳主馬の見ててやりたくなって………w;;)」
万「さっきからこんなところで一体何を…」
夏「!!万助おじさん開けちゃダメ!」
って止めたも遅かった
万助おじさんが見たのは俺を着付けしている夏希姉と
白い朝顔の浴衣を着ている俺を見て…
大声を挙げ、られなかった
何故なら夏希姉が口を塞いで部屋に引きずり込んでいたから…
怖っ……
障子をガツンッと閉めて夏希姉はため息をついた
万「な、な、なんじゃこりゃあ!?」
瑠「な、夏希姉……;;;;」
夏「はぁ〜……どうしよ、」
万「こりゃあどういうことじゃ!?
この小僧は男じゃなかったのか?!!」
瑠「すみません、………俺、女です」
万「な、何ィィ?!!!」
「「…………………」」
夏希姉と顔を見合わせて、この人をどうするか考えるのだった………