男装歌姫

□男装歌姫5
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次の日の朝…

僕と瑠亥は朝から特に会話もなく納戸でパソコンをしていた
そう言えば、明日の夜だっけ?歌姫のパフォーマンスは……


佳『………瑠亥』


瑠『なぁ〜に〜?』


佳『一緒に見に行こうよ歌姫のパフォーマンスステージ』


瑠『わり、俺はパス。興味ない』


佳『……………そ、』


瑠亥は人一倍にあの歌姫に興味がないみたい…





ドドドドドドドドドッ………





足音が聞こえる。かなり慌ただしい…
それも一回や二回ではなく何回も聞こえ始めた

何かあったっけ?
そう思い返せばそうだ
今日は栄おばあちゃんの誕生日だった

何も知らない瑠亥は何事かと顔をあげてこちらを見ていた


瑠「………何事?」


ほら、やっぱり…


佳「今日は栄おばあちゃんの誕生日なんだ」


瑠「…………………………………
え?マジ…!?ダメじゃんパソコンなんかやってたら…」


佳「大丈夫だよ。どうせやることないし」


とか言ってもどんどんパソコンを片付けちゃってる瑠亥は止まらない
はぁ……。なんて瑠亥は気がきくんだろ
しっかりしてて、そういう所も可愛いと思う


瑠「何やってんだよ佳主馬!俺たちが手伝いに行かないでどうすんだ
ほら行くぞ!」


突然急かされたので慌ててOZをログアウト。パソコンを切った
















「『は〜ぴば〜すでいでぃあ、おばあちゃん
は〜ぴば〜すでぃとぅ〜ゆ〜!!』」


いつの間にか集まっていたみんなと合唱
夏希姉が弾いているギター?ウクレレ?の伴奏に合わせて
栄おばあちゃんのお祝いをした

なんで死んでいるのに誕生日のお祝いするかって?
そんなの、単純に栄おばあちゃんが湿っぽいのが嫌いだったから…

そんな様子をみて瑠亥ももちろん驚いていた


瑠「……すごいな…。こんなに盛り上がるなんて
普通やんない」


佳「そりゃあ…。多分うちだけだよ」


瑠「だよな。だって見たことないもの」


佳「………………」


軽くツッコム瑠亥に苦笑いを浮かべて…


誕生日会が一段落ついて、家族のみんなは夜の夕食に向けて準備を始めた
こうなると再び僕たちもやることがなくなる


瑠「……………どうする?」


佳「僕は納戸へ戻るよ」


瑠「じゃ俺も」


“知らない人たちの集まりに一人で行けるわけないしな”
そう言って瑠亥は困ったように静かに笑った

その顔にドキッとしない人はきっといない……


佳「い、…行くよ!」


瑠「お〜…」


変な思いを隠すために短く言って歩き出す
間の抜けた返事は気にしない


夏「あ、待って瑠亥君!!」


瑠「え?、…夏希姉」


納戸に向かって行こうとしたとこで、瑠亥が夏希姉に呼び止められた
一体なんなのさ……
瑠亥と二人っきりになるの邪魔しないでほしい…


夏「瑠亥君、ちょっとさ……」


瑠「は、はい……?」


夏「聞きたいことがあるの。瑠亥君ってさ………………………
……………………………だよね?!」


瑠亥の腕を引っ張って耳打ちをする夏希姉
なんの話をしているかは分からないけど、
たちまち瑠亥の顔が赤くなったのが分かった


瑠「なな、なななな夏希姉っ!!
い、いきなり何をっっ/////」


夏「でも、そうなんでしょ?w」


瑠「う、………」


夏「私にいい提案があるんだけど、……乗ってみない?」


瑠「!………
なに、するつもりです、か……!?」


夏「乗るか反るかは瑠亥君次第だけどね。ここじゃなんだから………
あ!佳主馬、瑠亥君借りてくね!!」


佳「え!?ちょっ!」


瑠「わりっ!」


佳「………………え〜…」


もう訳わかんない
なんで顔赤くしたの瑠亥……

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