男装歌姫

□男装歌姫4
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夜…………

僕たちは夕食のため、居間にいた
そんな中、隣で瑠亥は目を見開いて驚いている
そりゃそうか……
確か健二兄も去年驚いてたし


瑠「か………家族多いな」


佳「普通だよ」


瑠「これのどこが普通なんだ」


気まずそうに顔をしかめて箸を動かす
つかんだのは芋の煮物
口に運んでパクリと食べた


瑠「あ、うめぇ!」


夏「ほんとに!?良かったぁ。それ私が作ったの。健二君もどんどん食べて!」


健「あ、い、いただきます!」


瑠「佳主馬も食べろよ!旨いぜ?」


佳「僕はいら「いいから食え!」むぐっ…!!」


芋と箸を口に突っ込まれた
痛いって瑠亥……


瑠「どう?」


佳「ん、…うまい」


瑠「だろ?夏希姉!美味しいです」


健「ぼ、僕も!美味しかったです夏希先輩!!」


瑠「(すっげーアピってる…)」


佳「(瑠亥のせいだよ)」


瑠「(なんで俺!?)」


こそこそと話していると万理子おばちゃんが楽しそうにこちらを見ていた


万「仲がいいわね二人とも。お風呂が沸いたから先に入って来なさいな」


瑠「!!!!!!!!!!!!!」


佳「わかった。瑠亥、入る?」


瑠「え、いや、俺は……
佳主馬先に入ってよ!俺、やることあるんだ」


佳「……………………そう、じゃあ先に入るから」


瑠「お、おう…」


また詞でも考えついたのかな…
あんまり気にしなかったけど、夏希姉は
何か思いついたかのように口を開けて瑠亥を見ていた…















夏「ねね、瑠亥君ちょっと、」


佳主馬がお風呂に入ってるから暇だし、詞の続きを作ろうかと納戸に向かっていたら
夏希姉に呼ばれて部屋に入った
なんの話かな…


夏「どうぞ、座って?」


瑠「し、失礼します…」


部屋に入って夏希姉と向かい合うように座った
そういえば彼氏さんの健二兄が見つからない


瑠「夏希姉、健二兄は?」


夏「健二君なら自分の部屋だよ。数学やってると思う」


瑠「は、はぁ…」


数学って…
あの人、何してる人なんだろ


瑠「で、何の用ですか?」


夏「話に無駄がない………w
じゃあ単刀直入に言うね。瑠亥君は“女の子”でしょ?」


瑠「…………はぁ…?」


何を言い出すかと思ったら……
心臓が飛び出しそうになるくらい驚いたのを抑えて平然を装おう


瑠「な、何をいきなり……
そりゃ…よく間違われますけど…」


夏「間違われる?違うでしょ。瑠亥君は女の子だって一目見てわかったもん」


瑠「………え…!!、えとっ、」


なんでばれてるの!!!!???!?


実は俺、霧月瑠亥はれっきとした女である
それは親友の佳主馬にも秘密にしていたこと…
なのになんで、ばれちゃった!?


瑠「な、夏、希姉…」


夏「やっぱり!…理由は聞かないけど頑張ってるみたいだね、」


瑠「え、な、なんでばれた、の…?」


夏「佳主馬の態度みてもしかしたらって思ったの。危なかったねお風呂」


瑠「……………………………」


開いた口が塞がらないっていうのはこのこと
しばらく俺は驚きを隠せずに夏希姉を見つめていた……
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