男装歌姫

□男装歌姫14
2ページ/2ページ

瑠亥が部屋を出てからすぐ、健二兄の携帯に電話がかかってきた


健「も、もしも『健二!よく聞け!この今の状態からOZを奪還する方法を思い付いたんだ!』
………え!?」


大きく漏れた声は僕にも届いた

健二兄と僕は顔を見合わせて頷くと今から急いで納戸へ向かった





















健二兄は携帯をスピーカー状態にして折り曲げると机に置いた


健「で、どうすればアバターを解放できるの?!」


佐『とりあえず、今送ったやつ見てくれるか?キングのパソコンに送った』


健二兄は僕が貸したパソコンの電源をつけると
佐久間さんから送られてきたファイルを開いた

そこには設計図だろうか、
OZの管理棟の絵が細かく、内部まで書かれていた


健「こ、こんなのどこで手に入れたんだよ?!!」


佐『今OZ内はほぼフリーズ状態。情報を守るやつが操られてんだ』


佳「情報が仕舞われてるところはガラ空きってわけか…」


佐『そういうこと!さ、やるぞ健二!キング!と……
あれ?ルイってやつは?いるか?そこに…』


佳「あぁ、瑠亥は…「いるよ、ここに…」!!…瑠亥!?」


ちょうど納戸の扉を開けて入ってきたのは先程急にいなくなった瑠亥だ

瑠亥は黒いパソコンを持って僕のパソコンの隣に置くと僕の横に座った


佳「いつのまに…」


瑠「今さっきOZのアバターの様子みてたら動けるようになってた
もし、その作戦に俺のアバターが必要なら、脱出口を教えてくれれば出ることができる
それに……中からも何かしらできると思う」


佐『そりゃあ頼もしい!そうだな、とりあえず中から脱出してもらうか…
じゃあ…』


“今から作戦を話す”
佐久間さんはそう言うとこと細かく、まずは全体の流れを説明した


佐『まず、もう歌姫のパフォーマンスまではさほど時間がないってこと
だから一つ一つ素早くこなさなくちゃいけない』


佳「残り五時間半だね」


佐『ああ。だから手早く、そしてルイサポーターに見つからないように動くことがまず条件だ
できるな?とくにアバターの身長がでかい二人…キングとルイなんだが…』


瑠「それくらいなら楽勝。…だよな!佳主馬!」


佳「確かに、楽勝だね」


佐『愚問だったなw三人にはそれぞれ別の役割を言うからよく聞いてくれ』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


OZのひっそりとした、誰も近寄らないような場所で三体のアバターは集まっていた

少し先にそびえたつのは管理棟
今まさに、そこへ飛び出そうとしていた


サ「ルイには伝えたから残り二人はしっかりと頼んだぞ!
何かあったら連絡してくれ」


カズマとケンジは頷くと双方とも別々の道を素早く、静かに進み始めた

やがて二体のアバターの姿が見えなくなるとサクマがヘッドマイクをつけて
目の前にある浮かび上がっている画面を見つめた


サ「俺はここから三人を誘導するからくれぐれもノイズ化した管理人に
見つからないようにしてくれ
ノイズは一体だけじゃないからな」


ル『ちょ、それ初耳なんですけど』


サ「大丈夫だって、管理棟内にはいないさ…きっと」


ル『きっとってなんですかきっとって!』


サクマにツッコムのは先程姿を見なかったルイだ

ルイは今、
サクマから言い渡された作戦を実行に移している最中だった


.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ