FF7

□ユフィの災難before
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「どうしよう・・・」
「ティファ。落ち着け。」
「全部、私のせいだわ・・・。キーストーンを奪われたのも、マリンを人質にとられたのも・・・」
クラウドとのデートで浮かれていた私のせい・・・
「ティファ・・・」
俯き自身を責め、うずくまるティファにクラウドが肩を抱いた。

ここはゴールドソーサー。古代種の神殿のカギとなるキーストーンを手に入れたクラウド一行は神殿へ向かおうとした所、唯一の出入口であるゴンドラの緊急メンテナンスのため、クラウド一行は足止めをくらっていた。そのためゴーストホテルにて一泊し、翌日古代種の神殿へ向かう予定だった。

眠れぬ一夜を過ごしていたところティファからの誘いがあり、夜のゴールドソーサーへ繰り出していた。半ば強制的に劇に参加させられ、二人っきりでゴンドラにのり、久しぶりにティファとの時間を楽しんでいた矢先のことだった。

ケット・シーに裏切られ、キーストーンを奪われ、マリンまで人質にとられてしまった。さらにこれからも旅についていくという。内心クラウドははらわたが煮えくり返っていたがマリンが奴の手の中にいる以上何も出来なかった。

「帰ろう・・・ティファ。」
「クラウド・・・」
うずくまっているティファが顔を上げた。
「マリンに手を出したら殺す。」
ケット・シーを鋭い眼光で睨み付ける。
「恐いなぁ・・・クラウドはんは!なんにもしませんて!今まで通り仲ようしましょうや」
クラウドは落ち着くために大きくため息をついた。

「マリンには手を出さないでくれ・・・」
頭を下げるクラウドにティファは驚いた。
「クラウド・・・」

「はぁ、ボク・・・そんな悪もんに見えますか?クラウドはん、ティファさんすんません・・・。今はこうするしかないんや・・・」
ケット・シーは項垂れ、ピョンピョンと消えてしまった。追いかける気にもなれず、ティファとホテルへと戻った。

帰り道もティファの表情は優れず曇っていた。
「ティファ。大丈夫だよ。」
「でも・・・」
「マリンは大丈夫だ。」
優しく口角を僅かにあげるクラウドに胸が高鳴るティファ。
「うん・・・///」
「明日も早いからな。戻ろう。」
階段を上がり、ティファを部屋まで送ろうとしたクラウドだったが頑なに拒否された。エアリスに見られたくなかったのだろう。全く気づかないクラウドは遠慮はするなとティファを部屋に送ろうとする。

(困ったなぁ・・・)
ティファが悩んでいると、クラウドが何か気配を察した。
「ッ!!」
「クラウド?どうし───」
ティファが言い終わる前にクラウドがティファの手首を掴み、部屋に飛び込んだ。
「ちょっと、クラウドッ!部屋が違ッ────」
「シッ!」
言い終わる前にクラウドが口元に人差し指をあて静かにと耳元で囁いた。


ティファもクラウドと同じようにドアに耳をあて廊下の様子を伺う。

コツコツと革靴の音が聴こえてきた。音の数からして複数人だ。




「・・・?」
「どした?相棒?」
「人の気配がしたが・・・気のせいか?」
「やめてくださいよ!ルード先輩!」
金髪ショートカットのイリーナが震えて言った。

レノが意地悪く笑みを浮かべ、イリーナを驚かそうとすると携帯電話が鳴った。
「キャーーーーッ!!」
頭を抑えうずくまるイリーナ。
「おいおい、タークスの一員がビビってんじゃねえぞ、っと」
「タークスとしての自覚を持て、イリーナ。」


「す、すみません」
レノを頬を膨らまして睨み、ルードには謝罪した。

「愛しの主任からだぞ〜、っと」

「先輩は少し黙っていてください!」

携帯を手に取りいつもの凛々しい顔つきに変わった。
「こちらイリーナ。」
「イリーナか。こちらは無事キーストーンを手に入れた。このまま神殿へ向かう。」
「では、我々も!」
「ダメだ。お前たちは奴らの足止めをしていろ」
「し、しかし!」
「イリーナ。お前は引き続きリーブの監視を頼む。」
「ですが、リーブさんは───」
「その名前を口にするなッ!!」電話越しに怒号が聞こえた。
「も、申し訳ありません!!」イリーナは深々と頭を下げる。
「奴らに聞かれていたらどうするつもりだ」
「申し訳ありません・・・。ですが、彼が我々を裏切るのでしょうか?」
イリーナの背中は小さくなり、落ち込んでいるようにレノには見えた。
「リーブは度々奴らを庇うような発言をしてきている。念には念を、だ」
「分かりました。」
「では、お前たちはメンテナンスが終わり次第こちらへ向かえ。朝方で構わん。神殿内で合流する。以上だ。」
「はいッ!」

電話を切ると明らかに落ち込んだ顔のイリーナがルード達に言う。
「明日の朝ここを出て神殿内で合流だそうです。」

「へへ、随分怒られてたなぁ」
「・・・失礼します」
とぼとぼと歩きだしイリーナは自身の部屋へと入っていった。

「仕事終了だぞ、と」
「からかい過ぎではないか?」
「じゃあな、相棒。明日も早いぞ〜、と」
飄々とルードの忠告をかわし部屋へ
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