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□今、再び…
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かつて秩序と混沌…。
二柱の神々の戦いが行われていたこの世界で消滅した六人のコスモスの戦士がいた。
彼らは次の戦いに望みを繋ぐためたった六人でイミテーションの大群に挑み次元の扉を破壊した。しかしその地で力尽きた六人の戦士たちの魂は元の世界に還ることも許されず、この世界を意識もなく彷徨っていた。
しかしある男と神竜が契約を結ぶことで神竜は再び『浄化』を行う。
時が巻き戻るように六人の戦士たちは再びこの世界に召喚され蘇ることとなった――――。
「う……ここは…?」
ライトニングは目を覚ました。まだはっきりとしていない意識を覚醒させるため軽く首を振り、ゆっくりと立ち上がり辺りを見渡す。
灰色の雲にうめつくされた空、荒れ果てた乾燥した大地、渇いた風が砂煙を巻き上げた。
そしてどちらが北さえ分からないが、右手の方角に白い塔のような物が見えた。
覚えている――。
あれはコスモス――秩序の聖域だ。どうやら私はまたあの世界に来てしまったらしい。
「何故私は……。
あいつらも無事なのか?」
自分の存在を手を見て確認する。そして次に思い出したのは仲間のこと。
12回目の戦いの最後。次元の扉を破壊し、消滅したはずの自分が今ここに存在している。
ライトニングは共に闘った五人の戦士たちの身を案じた。
しかし今ここで心配していても何も始まらない。
聖域に行けば何か分かるはずだ。
ライトニングは赤いマントを翻し、秩序の聖域目指して歩きだした。
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「っ…一体どうなっている!?」
何時間も歩いているが一向に聖域に近づく気配がない。それよりも道中で何度もモンスターに襲われた。
その多くはランドウォーム。芋虫のような型で巨大な体躯に大きな口をもったモンスター。地面と砂の攻撃をする厄介な奴だ。
イミテーションに加えてこの世界はモンスターまで出るようになったようだ。
「……………。」
ライトニングは歩いてきた道を振り返る。ずっと先に海が見えその先は夕日とはまるで違う妖しい赤い光が海の向こうの大地を照らしている。
とてもこの世界が平和になったとは思えない。
あの向こうに一体何が…?
「…どうやら私がするべきことはまだあるようだな…」