黒猫は嘲笑う
□22
1ページ/1ページ
もう一度、取り戻す為に
私はあなたを壊してあげるよ。
終わりの、
あの日、私は祐希から逃げた。
このまま、祐希といちゃダメだと頭の中で警報が鳴った。
自分でも、なんで祐希が怖いのか…よくわからない
でも、きっとあのまま祐希の側にいたら私は私じゃなくなっていたかもしれない。
「玲羅ちゃん、用意出来たー?」
「あ、うん!いまいくー!!保険証持った?」
「持った持った!」
今日はお母さんと病院に行く日。
幼なじみやちーくん達には言っていないけれど
私は今、原因不明の病気にかかっている。
従兄弟が前になった病気と酷似しているみたい。
ギラン・バレー症候群に酷似した病気。
従兄弟も酷似した病気だったんだけど、私の場合は従兄弟より状態が酷いみたい。
手術をしても助かる可能性は低い。
従兄弟は50%だったけど、私はその半分。
25%の可能性しかないらしくて。
このまま治らなければ呼吸も自分で出来なくなり、死ぬかもしれないといわれた。
取り戻す今は、症状を抑える薬を飲んで進行を遅らせている、
つまり私には、もう未来がない。
終わりの未来に希望など
自分を慰めてどうなるの?