黒猫は嘲笑う
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私の………
私の大事な玲羅なの………
世界で独り
いなくなってしまった。
逃げられてしまった。
私の…私だけの玲羅が。
やっと、精神の壊れた人形になったのに。
「誤算だわ……!!」
まさか、ギリギリのところで逃げられるなんて…思いもしなかった。
「……………………くっ」
握りこぶしをにぎる。
爪が手に刺さって血が出てるとか、気にしないで。
ただただ、握り締める。
玲羅の家の前を通る。
すると、声が聞こえた。
愛しい声。
「ちーくん!1人で食べちゃダメだよッ!!
悠太もハルちゃんも食べてないのにー!!」
……………玲羅?
玲羅なの…?
私の為に…戻って来てくれたのね……ッ!!
「また…私の可愛いお人形に、戻してあげるね。……」
世界で独りにしてあげる
愛してるよ…愛しのお人形さん