広い青空
□*14*
1ページ/6ページ
「おっせーよ、春兄」
「遅いって冬樹。これでも急いで来たんだから」
私達は今、穂稀中に来ています。
ハルちゃんの弟、松岡冬樹ことフーくんに英語のノートを届けにきたんです。
あ、なんかフーくんとちーくんが言い争ってる。
「何勢揃いで来てんだと思ったら久々に学校見に来たの」
「うん」
「冬樹もしばらく見ない間にまた背のびたんじゃない?」
「まぁ、成長期だかんねー。
…チッ、スパッツ……」
フーくん、制裁を下しても構わないかな…
階段を上る女の子のスカートを覗くフーくん。
なんかエロ本かしてよ、とか皆に言ってる。
すると、怒鳴り声と共にテニスボールが飛んで来た。
「エロ本の前にアンタはさっさと英語のノート提出しろぉッ!!」
ドゴォッ!!
「い……ってぇッ!!テメッ…何しやがんだぁッ!!」
「はぁッ?!わかんないの?!テニスボールぶつけたのよ、このエロ冬樹!!!」
「エロ冬樹ってなんだこのノーコンがッ」
「ざっけんな、バカ!!」
ギャーギャーと騒ぐフーくんと女の子。
「………舞奈?」
「うっさいな、今取り込んでんでしょうがッ!!…って………玲姉?」
「…………元気だね…。耳が痛かったなぁ…」
「ご、ごめん。なんで玲姉が…」
「久しぶりに来たの。皆の母校。」
「へぇー……」
フーくんと怒鳴り合ってたのは私の妹、舞奈でした。
_