□塩1
1ページ/11ページ





「でかいな…」
思わずつぶやいてしまった。
目の前にあるのは軽く4mを越えている立派な門。

細かな所から
目につきやすい所まで
装飾が施されている。

そんな門の前で僕達はポカンと突っ立っていた。

「チッ、時間がねーのによぉ。」
理央が気怠げにいう。


今日は入寮日。
入学式、新学期は明日からなのだ。

だが僕達は入寮前に
理事長の所に行って今回の事のお礼を言わないといけない。
だから僕達は
他の新入生より早く学園に来る予定だったのだが、






…………今朝。
僕は理央を起こしていた。

「…理央、いつまで寝てるつもりだ?」

「…zzzz」

「準備しないと間に合わないぞ。」

「…俺は準備なんて10分で終わるから…もぅちょい寝かせてくれ…zzz」

「いつも、そう言って起きないじゃないか君は。」

「…んなこと言ってどうせ理斗もねみーんだろー…」
「うわっ!?」

理央の強い力で引かれ、
僕は簡単にベッドに倒れ込んだ。

「理央!やめてくれ…ない…か…?…zz」

ベッドの威力は半端なかった。
…フカフカでお日様の香りがす…zzz



てな感じで寝てしまい、
母親に起こされるまで爆睡していた。

で起こされた時は
「…12時だ。入寮時間、…一時間オーバーしてるよ」
「…行くか。
入寮時間前どころか
入寮時間後に理事長に挨拶…笑えねぇ。」


…この回想で読者に察してほしいのは、
母親に起こされるまで妹と同じベッドで寝ていた事


…………ではなく、
遅刻したことだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ