ちょ

□16重力は雨中を渡る
1ページ/1ページ




何度目の別れ話だろう?

でもいっつもあなたが仲直りのきっかけを作ってくれるよね。



──…


「ねぇねぇ」


急に雨が止んで、
振り返ったそこには傘を持った彼がいつものように笑っていた。


「お姉さん一人〜?なら俺と一緒に遊んでくんない?」


「…」


「まだ怒ってんの?」


「…」


そんな彼の声と、雨が傘にぶつかって弾ける音しか聞こえてこない。


「ごめんって。あんなの冗談に決まってんじゃん!じょーだん!」


「本当に?」

「うん」

「…何であんな冗談言ったの?」


寂しいの我慢できないなら別れてもいいよ。なんて。


「お前は本当に俺でいいのかな〜って思っただけだよ。だってイングランド行ったら当分会えなくなるかもだし?」

「そんな試すようなことやめてよ!」

「ごめんごめん


俺もさ」


「?」


「あんなこと言っといて、なんだかんだやっぱりお前じゃないと駄目だなあって分かってるよ」





重力雨中を渡

少しの間のお別れだから、雨より軽く済むように


------------------------

初めて企画に参加させてもらいました。
お題に一目惚れしました(笑)
素敵なお題どうもでした!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]