短編
□タカラモノ
1ﾍﾟｰｼﾞ/1ﾍﾟｰｼﾞ
ボクは幸せだよ
だってキミはボクだけのモノになったんだから
え？どうしたのって？
ボクはおかしいコト言ってないよ？
おかしくなんてないよ
あいつらが悪いんだよ
ボクのミク姉に触るんだもん
ん？肩を叩かれただけ？
そんなのウソだよ
あいつらはそんな風にしてミク姉をボクから取ろうとしたんだよ
そんなことない？
あれ？どうしてあいつらを庇うの？
ミク姉はボクだけいればいいんだよ
なのに、他のやつらを選ぶんだね
なに？違う？
どこが違うっていうの？
ボク以外のやつを庇ったじゃないか
そうやってる今もボク以外のやつのこと考えてるよね？
考えてない？
じゃあなんで目を逸らすの？
ボクたち恋人同士なんだよ？
お互い間違いを正さなくちゃダメでしょ？
だからボクがちゃんと正してあげる
どうしたの？そんなに震えて
怖くなんてないよ
ヤダなぁ、ミク姉
ボクがミク姉を傷つけると思う？
ミク姉は大事な大事な人なんだから
ただ確かめるだけさ
ミク姉がボクをどれだけ好きなのか
簡単なコトだよ？
ボクに“愛してる”って言うだけ
もちろん、心のそこからね
ほら、言ってみて？
…………ちゃんと聞いてた？
心のそこからって言ったんだよ？
さぁ、あと１回チャンスをあげるから
………………仕方ないね
悪い子にはお仕置きしなきゃだね
泣いてごまかしてもダメだよ
ミク姉はボクをアイさなきゃ
ボク以外１ミリたりとも見ちゃいけないんだ
だからミク姉をここに連れて来たんだ
そうしたらミク姉はボク以外のやつらには見えなくなるでしょ？
それってとても素敵なコトじゃないか
ボクとミク姉、二人だけの世界なんだよ？
幸せだよね
でもミク姉は間違っちゃったんだ
だから、ほら
なんでそんな顔するの
痛いなんて言わないで
それじゃまるでボクが間違えてるみたいじゃない
これはボクのアイなんだよ
ほら、なら叩くのはやめて抱き締めてあげる
ねぇ、人の体温ってあったかいよね
感じてる？
大丈夫
ボクだけしか見ないようにしてあげるから
ミク姉、愛してるよ